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「監獄のお姫さま」7話。2.5次元への埋没からの転落。坂井真紀演じる「明るいメンヘラおばさん」の闇

2017年12月5日 09時45分 ライター情報:大山くまお
宮藤官九郎脚本、小泉今日子主演の火曜ドラマ『監獄のお姫さま』。先週放送された第7話の視聴率は5.5%。えっ、と驚いたのだが、裏番組を調べてみたら日テレ『ベストアーティスト2017』が15.2%も取っていた。まぁ、きっとみんなTVerで観てるんだよ! 

第7話は、坂井真紀演じる“女優”こと大門洋子の過去と出所後の生活が描かれた。そうか、“わるウーマン”(先生命名)たちは、こうやって一人ずつ出所していくのか。なんだか不意を突かれたような気分。ずっと彼女たちは刑務所でわちゃわちゃし続けるんじゃないかと思ってたよ。そんなわけはない。
イラスト/まつもとりえこ

懲役7年! 2.5次元に夢中な“やっべーやつ”


「そうです、私がメンヘラおばさんです」

第1話からずっとハイテンションに「私、女優よ~」と言い続けてきた女優。カヨ(小泉今日子)たちもほとんど聞いたことがなかったという女優の罪状とは、2.5次元ミュージカルで活躍する俳優へのストーカー行為と、彼の追っかけ費用を捻出するために働いていた複数の詐欺だった。懲役7年の実刑判決。検事の長谷川(塚本高史)が「長っ!」と驚くほどだ。

女優が夢中になっていたのは、イケメン剣道ミュージカル『行け! 面! 胴!』の主演、泉キャプテン役の大洋泉(たいよう・いずみ)という俳優。決めゼリフは「俺の手ぬぐい、欲しい人!」。ミュージカルナンバー「涙が心の汗なら」では「朝練前なら抱いてやってもいいぜ」というセリフで黄色い歓声が飛ぶ。「♪青春は稽古不足さ~」というサビの決まり具合がすごいが、稽古不足なら女の子抱いてないで練習しろよ! メンバー5人の名前がそれぞれチームナックスのメンバーの名前のパロディーになっているのもネットで話題になった。

女優は、彼の追っかけのために毎月100万円以上費やすようになっていた。地方公演は全公演参加、ホテル代、交通費などなど。こういうオタク女性の浪費っぷりについては、書籍『浪費図鑑』が大変詳しい(参考記事)。“浪費女”2000人へのアンケートによると、月100万円というのは大げさのようだが、それでも月30~50万円を趣味に費やす人は全体の0.1%存在する。10~20万円なら全体の8.6%。また、全体の2割程度は、クレジットカードが止まった経験があるという。

女優は莫大な費用を捻出するため、出会い系サイトで出会った男たちから次々とお金を騙し取っていた。

「やっべーの! 私、マジヤベーやつなんです! でも後戻りできないわけ! 泉くん、歌もお芝居もグングン良くなってくし!」

この言葉を聞いて共感できる女性は、(さっきの『浪費図鑑』を例に出すまでもなく)男性が思っている以上に多いはずだ。

ライター情報

大山くまお

ライター。著書に『野原ひろしの名言』『野原ひろしの超名言』(双葉社)、『名言力』(ソフトバンク新書)、『中日ドラゴンズあるある』(TOブックス)など。

URL:Fire Stone and Water

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