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最終回「アンナチュラル」ウォーキングできないデッド! 日本のドラマの水準を確実に一段階上げた

2018年3月17日 09時45分 ライター情報:大山くまお
石原さとみ主演、野木亜紀子脚本の金曜ドラマ『アンナチュラル』、本当に見事な最終回だった! 途中までは、とてもハッピーエンドになるとは思えなかったけど、よくあんな最高の大団円に持っていけたものだ。終盤の畳みかけは本当に見事。

シリーズ全話を通して捨てエピソードなし。それどころか、巧みに伏線を張りめぐらして気持ちよく回収しつつ、登場人物の愛らしさ、ストーリーの面白さ、人間ドラマ、社会性、メッセージを一つも欠けることなくすべて成り立たせているというすさまじさだった。

海外ドラマがケタ違いのスケールと面白さを次々と繰り出してくる昨今において、「ああ、日本のテレビドラマでもまだこれだけのことができるんだ」と素直に思わせてくれたのが『アンナチュラル』というドラマだったと思う。日本のドラマの水準を一段階上げた作品だ。

あまりに美しい終わり方に「続編は無理かな……」とも思っていたので、最後に出てきた「Their journy will continue」(彼らの旅は続く)というメッセージはうれしかった。スペルの間違い(「journey」の「e」が足りない)についての深読みする人たちも現れたが、それは作り手たちへの信頼の裏返しだろう。

『アンナチュラル』DVD&Blu-rayも発売決定とのことなので、いつかやってくるはずのスペシャルと第2シーズンを、じっと円盤を見ながら待とう。あと、UDIラボの白衣やツナギを販売してくれたら買う人多いだろうなぁ……。
イラスト/まつもとりえこ

また現実とリンクした公文書の「書き換え」


最終回は、UDIラボ(不自然死究明研究所)の法医解剖医の一人、中堂系(井浦新)の恋人・糀谷夕希子(橋本真実)を殺した犯人であり、26人もの人を殺した容疑がかけられている男・高瀬文人(尾上寛之)をめぐる攻防戦が描かれた。

知能犯である高瀬は自ら警察に出頭して遺体損壊は認めたものの、頑として殺人容疑については否定をし続けた。遺体損壊と遺体遺棄だけで逃げ切るつもりだ。高瀬を殺人罪で裁けない――。呆然とするミコト(石原さとみ)たち。高瀬の供述に実際の映像を被せて嘘だとわからせる演出のスピーディーさが秀逸。

高瀬の逮捕とともに、一躍メディアの寵児となったのがジャーナリストの宍戸(北村有起哉)だ。彼は高瀬と接触し、殺人を見届けてきた。誰よりも高瀬について詳しい宍戸は次々とマスコミに露出。宍戸は被害者のほとんどが解剖されることなく、自殺や事故として処理されてきたことで捜査が遅れたことを指摘する。

ライター情報

大山くまお

ライター。著書に『野原ひろしの名言』『野原ひろしの超名言』(双葉社)、『名言力』(ソフトバンク新書)、『中日ドラゴンズあるある』(TOブックス)など。

URL:Fire Stone and Water

コメント 9

  • 匿名さん 通報

    死因究明の必要性は海堂尊さんが主張してきたことで、彼の作品群で知っていましたが、このドラマでさらに深く印象づきました。この作品が上質なドラマに留まらず社会を動かしたドラマになることを期待します。

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  • 匿名さん 通報

    海外ドラマファンですが、このドラマ面白かったです。ストーリー展開や登場人物たちのキャラ設定などしっかりしてて安心してドラマの世界に入って一緒に笑ったりできました。続編頼みます。

    27
  • 匿名さん 通報

    「こんな古臭い作りの脚本を絶賛するとは」??? 何がどう古臭いのか?私は、現代的テーマを取り上げた見事な脚本と思う。

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  • 匿名さん 通報

    ファイナルカットと同じような展開。既視感しかない

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  • 匿名さん 通報

    >挑発を続けるミコトに高瀬の様子が変わる。鍵は「同情」だ。 ここ最高❗

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