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「透明なゆりかご」「人が怒ることには絶対理由があるんだよ」尊厳を守るため怒る田畑智子は強く美しい3話

2018年8月10日 09時45分 ライター情報:むらたえりか
アオイ「信じていたもの、当たり前だったものが突然奪われる。そういうことは、世の中では起きる。それでも、生きていかなきゃいけない。ねえ、この世に生まれるって、案外大変だよ」

8月3日(金)放送のドラマ10透明なゆりかご(NHK)第3話。

主人公の青田アオイ(清野果耶)は、高校の准看護学科に通いながら由比産婦人科で看護助手のアルバイトをしている。コミュニケーションが苦手で、いつも何かに怒っている妊婦・安部さおり(田畑智子)を恐れていた。
アオイや医師の由比(瀬戸康史)のちょっとした言葉にもさおりは苛立つ。その理由は何なのか、アオイは考えていた。
沖田×華『透明なゆりかご〜産婦人科医院看護師見習い日記〜』2巻(講談社Kissコミックス)

自分と家族のために怒り続ける強さと美しさ


3話で描かれたのは、何も信じられない世界で生きていく人のつらさ。
さおりの夫は、5ヶ月前に市民病院で急性虫垂炎(盲腸)の手術を受けた。虫垂炎の手術なんて失敗するわけがないし一週間程度で退院できると、さおりも夫も考えていただろう。しかし、まれに起きる合併症のため重度の低酸素脳症になってしまった。自分で体を動かすことも、呼吸することもできなくなった。意識はなく、それが回復する可能性はないという。

「安心してもらいたい」という意図で「大丈夫ですよ」と声をかけたアオイを、さおりは叱りつける。

さおり「あなた見習いよね? 国家資格も持っていない素人に、どうして大丈夫ってわかるの。だいたい、なんで見習いなんかに世話されなきゃなんないの」
アオイ「私は体温はかるだけですし、検尿のカップ渡すだけ……」
さおり「あんたが名前書き間違えたらどうするの? カップ取り違えたら? それで何かあったら誰が責任とるの?」
アオイ「いえ、そんなことは……」
さおり「起こらない? 100%? 絶対に?」

こういう人を病院で見かけたら、クレームおばさんだと思ってしまうかもしれない。怒るポイントを探している人に見える。実際、さおりは怒る理由を探していた。
夫に合併症が起きたのは、あまりにまれで防ぎようのないことだった。麻酔科医にも病院にも、落ち度はないという。さおりが求める情報は開示し、入院費もできるだけ負担なくすると言っていた。きっと、手は尽くしてくれたのだろう。でも、どうしてもそれを100%信用できないというさおりの苦しさ。
田畑智子出演の映画『ふがいない僕は空を見た』東映(2013)

出産の日になるまで、アオイはさおりのことを理解したくて積極的に声をかけ続けた。そんなアオイに、陣痛がきたさおりは本音をこぼす。

さおり「悪くないんだってさ、病院も麻酔科医も。

ライター情報

むらたえりか

ライター/PR企画者。宮城県出身・女子校育ち。「アオシマ書店」で写真集レビューなどを執筆。ハロプロ、ヒーロー、ベガルタ仙台が好き。

URL:わたしとたのしいくらし

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