舞台で鍋や野菜が飛びかう韓国発のミュージカルとは?
NANTA観覧の記念にもらった携帯クリーナー。I・NANTAの文字入り。
包丁で野菜を刻む音や、鍋がコトコト煮える台所の音がまるで音楽のよう…と思ったことはありませんか?韓国初のフードエンターティンメント「NANTA(ナンタ)」は、そんな身近な台所道具が出す音を芸術の領域にまで高めた一大ミュージカル。

米国ブロードウェイで公演したり、本場ソウルには専用劇場まで完成したというからビックリ! ゴールデンウイークに大阪で開催されていた「食博」の目玉のひとつでもあったこのNANTA、実際のところどんなもんなんでしょ?この目で確かめてきましたよ。


パンフレットには「魂のリズム、魂のフードエンターテインメント!」というこれまたアツいコピーが踊り、期待感をかきたててくれます。やがて、鍋やフライパンを打鳴らしながら4人のシェフと支配人役の人がいざ登場〜!基本的に音楽と俳優の表情、動きだけで進行していくので、韓国語がわからなくても大丈夫。韓国の民族音楽「サムルノリ」のリズムにのって、包丁、鍋、フライパン、またいた、時には生ゴミを入れるゴミバケツ(!)まで使って、強烈なビートが繰り出されていきます。ちなみに、「NANTA」とは「乱打」の意味だそう。

観客を舞台に上げたり、観客席にゴミ袋が飛んできたり(!)といったサプライズも時々あっておもしろい!
しかし、クライマックスに近づくに従いだんだんパフォーマンスが白熱してきて、包丁でキャベツやたまねぎをすごい速さで豪快に切り刻み、切ったキャベツが舞台で盛大に乱れ舞う…といった見せ場も。先ほどゴミ袋が飛んできたこともあり、もしシェフの手元が狂ってあの包丁が回転しながらこっちに飛んできたら…と考えるとかなりの恐怖!(もちろん、そんなことはないんですが)。

見終わってみると、決して豪華な衣装や凝った演出があるミュージカルではないのですが、不思議な感動がジワジワと…。

ただ、観客には小さな子供も多かったので家に帰った後、NANTAのマネをして包丁でキャベツを切り刻んだり、鍋やフライパンをおたまで叩きまくって演奏? したりしないかな〜? ということだけがチョット気がかりでした。(野崎泉)
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