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“いただきさん”に会いに、香川県へ

“いただきさん”に会いに、香川県へ
香川県高松市、朝の9時前。お店もまだ開いていない朝一番に、磯の香りをまき散らして走るリヤカー集団に遭遇した。

何事なのかと県外から来た人は驚くが、これが香川名物の“いただきさん”だ。

正体は「魚の行商人」。自転車に、魚をのせたサイドカーを付けて走る姿が一般的で、香川ではわりとポピュラーな存在だ。市内だけでなく郊外にまでその姿を見ることができる。

“いただきさん”の、その大半が女性。漁師を夫に持つ女性が副業、もしくはご主人を亡くされた女性が生活のために働くのがほとんどだそう。
家の前や店の前などにリヤカーを止めてご用聞きをする。それがいただきさん、朝のスタートだ。
魚を売ったり世間話をしたり魚をさばいて下ごしらえをしたりと、彼女たちの朝は忙しい。そんな中、この道30年といういただきんさんにお話を伺ってみた。

かつては桶を担いで魚を売りさばくスタイルが一般的だったが、昭和30年代にサイドカー付き自転車が開発され、「遠くまで行けるようになりました」と、あるいただきさんは言う。

いただきさんの最盛期は大正〜昭和にかけて。一番賑わっていた時代は400人前後もいたそうだが、今では高齢化の波が押し寄せ現役で活躍しているのは40人ほど。中には90歳代の姿もあるという。

元々の由来は讃岐に流されたお姫様が生活のために魚を売り歩いた……ということで、誕生秘話はなかなか高貴な血筋なのだ。
他の県にも行商人の姿は見られるが、いただきさんの認知度や地元への浸透度は格別らしく、地元の人とのコミュニケーションの輪がしっかりとできあがっている。
それに浜に近い場所だけでなく、海から遠く離れた場所にも出没する行動範囲の広さは他の県の追随を許さない。

ちなみに商売道具のリヤカーの中には水、そして魚の鮮度を保つための氷がたっぷり。もちろん売り物の魚も加わるため、リヤカーの重さは100キロ近くになるそう。
試し乗りさせてもらったが、素人では真っ直ぐに走ることも難しい。“いただきさん”、という柔らかい響きとは違った重労働だ。

雨の日も暑い夏の日も、いただきさんは町を走る。日曜祝日、そして第2第4水曜など市場がお休みの時だけがいただきさんのお休みの日。

もちろん一見さんでも購入可能なので、讃岐うどんの旅に出られた際はもう一つの讃岐名物として活きの良い魚を購入してみては?
(のなかなおみ)

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