紙は紙なりに…エコでおしゃれな「雷バッグ」
カラフルな柄は全て一点もの
4月20日、代々木公園で開催された「アースデイ東京2008」のブースで、目に付くおしゃれなバッグを発見した。光沢のある色とりどりの柄で覆われているトートバッグ、目を奪われて思わず手にとってみると、素材はなんと紙。
心地よい紙の感触と、手づくり感のあるビジュアルに暖かみを感じる。そして中には手書きの名札のようなものが。ブースの方に伺うと、「そのバッグを作った方のお名前ですよ」と教えてくれた。ひとつひとつ一点もののバッグらしく、並べられていたバッグにひとつとして同じデザインは見当たらない。その中のひとつのデザインにとても惹かれた私、出会いに運命的なものを感じて購入した。今では私の自慢のバッグになっている。


このバッグ、名前は「雷バッグ」という。“紙は紙なりにがんばっているから”というその由来に、単なるダジャレ!? と思いきや、そこには多くのストーリーがあった。
長野県にある福祉施設「OIDEYOハウス」とNPO「Think the Earth プロジェクト」のコラボレーションで生まれたこのバッグ、2006年4月のアースデイでの出会いから始まり、本格的な商品化に向けたコラボレーションプロジェクトが立ち上がった。「OIDEYOハウス」では、雷シリーズの制作のほかにも、地元企業からの受託作業などを行い、利用者の収入につなげているという。製作は約6人で担当。一点一点、心をこめたさまざまな作品が製作されているのだ。


素材は長野市内の給食センターやお弁当屋さんなど、地域のネットワークで集められた使用済みの米袋。3枚重ねからなる米袋は強度がある。そしてデザインを決める画材は、屋外の看板制作などに使われる業務用のテープの端材が使われる。表も裏も隙間なく一枚一枚、手作業で貼られてデザインが出来上がっていくのだ。

でも紙なんて、やっぱり強度が心配。重いものを入れても大丈夫なの?
「私が試したところ、2L入りのペットボトル2本。
つまり4kgは大丈夫でした。元々、30kg入りの米袋をベースに作られているので、かなり丈夫です」と、Think the Earth プロジェクトの山口さん。確かに、お米を入れる袋なら強度は保障済みといえる。山口さんはこの商品を、ポップでアートな“工芸品”と表現する。カラフルなデザインとユニークな素材が目を引き、デザインに敏感な若い女性から60代まで、幅広く人気があるという。さらには、そのデザイン性に注目が集まり、現在は国立新美術館のミュージアムショップでも取り扱っているという。


全て一点もののこの商品、今後も新しい柄が発売される予定。新規で入荷するたびに、まったく違うデザインパターンが生まれる。そして、トートバッグ以外の展開も予定されているという。
ますます楽しみ。 がんばってるこのバッグを、“私なり”に応援していきたいと思う。
(さくら)

「雷バッグ」紹介ページ*「Think the Earth プロジェクト」サイト内