打席内でも良い表情を見せ始めている大谷(C)Getty Images

 復活の兆しが見えてきた。現地時間5月17日、敵地で行われたエンゼルス戦で、大谷翔平(ドジャース)は「1番・指名打者」で先発出場。

5打数3安打2打点と活躍し、10-1での大勝劇に貢献した。

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 苦しんできた日々を脱しつつある。休養明けとなったエンゼルスとの今シリーズの前まで、大谷の月間打率は打率.150と低迷。それに合わせるように、1本塁打、出塁率.261、長打率.250、OPS.511と他のスタッツも数字を落としていた。

 指揮官であるデーブ・ロバーツ監督が「良い時であれば、ホームランになっている打球が、レフトフライに終わる」と苦言を呈するほどの状態。強引に引っ張るような打席が続き、「甘い球はセンターに打つ」とする理想とは程遠い内容が続いた。

 一部メディアや識者の間で「彼が打てていないのは投げるからだ」(ポッドキャスト番組「The Rich Eisen Show」の共同ホストを務めるジャーナリストのクリス・ブロックマン氏談)と、投打二刀流の“限界”を論じる声も噴出。大谷を疑う者が出るほど打てていなかった。

 しかし、ただ倒れたまま終わる男ではない。ちょっとしたキッカケで変貌する。16日のエンゼルス戦で、4打数2安打5打点と3試合ぶりのマルチ安打を記録した大谷は、翌日に猛打賞をマーク。チーム防御率4.89(MLB28位)と“投壊”傾向にある古巣が相手だったとはいえ、何かが変わったのは明らかだった。

 では、何が変わったのか。試合後に地元スポーツ局『Sports Net LA』のフラッシュインタビューに応じた大谷は「休みの前に良い感覚を掴めたのが、継続しているかなと思います」と語り、打席内で生じた変化を明かしている。

「ゾーンをしっかり把握できているのが、まず一番いいところじゃないのかなと思うので、あとは打球がしっかりそれなりに上がって来て、いい打球角度で振れていれば長打もホームランも増えてくるのかなと思います」

「常に言ってますけど、構えが一番大事だと思っているので、そこの動き出しの構えの部分でほとんどが決まっているのかなと思ってます」

 打撃フォームのメカニクスを微調整したことで、ボールの見え方も変わった。それによって、多くの打席で打ち損じていた外角への配球も、逆方向への強い打球に変化させられている。

 正しいアプローチを取り戻し、状態を上向かせつつある大谷。あとは本人が言うように、前年度より5.8度も下がっているバレル率(長打になる確率が極めて高い打球を打った割合を表す指標=今季は17.7)が改善できれば、おのずと本塁打も量産されるはずである。スランプに悩んだ日々も終わりは見え始めている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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