大人気コミックを実写映画化する『SAKAMOTO DAYS』で、元・伝説の殺し屋&その相棒として共演を果たした目黒蓮と高橋文哉。目黒は、推定体重140kgの“ふくよかな坂本”と、本気モードになるとカロリーが大量消費されて、急激に痩せ細る“スマートな坂本”という二面性を鮮やかに体現。

一方の高橋は初の本格アクションに挑み、目黒と共にスリリングで迫力あふれる場面を作り上げた。初対面から握手を交わし、物語の中の関係性をなぞるような厚い信頼を育んだという2人。「僕らはどこか似ている」という理由や、強力なリレーションシップについて語った。

【写真】目黒蓮&高橋文哉、熱い絆が伝わる2ショット!

◆初対面で熱い握手!「文哉くんとだからこそ、坂本とシンの関係性を作っていけた」

 原作は、2020年11月より集英社「週刊少年ジャンプ」にて連載を開始し、全世界累計発行部数1500万部(デジタル版を含む)を突破(2025年8月時点)する同名の大ヒットコミック。主人公となるのは、凄腕の殺し屋だった坂本太郎。ある日コンビニで働く女性・葵に一目惚れをした坂本は、あっさり殺し屋を引退する。結婚と娘の誕生を経てふくよかな体型となり、「坂本商店」を営んでいた坂本。そんな彼のもとに次々と悪党が迫り来る――。目黒が主人公の坂本役。卓越した戦闘センスを備える殺し屋であり、他人の思考を読み取るエスパーのシン役を、高橋が演じた。

――アニメ化も話題となった人気コミックを、コメディの名手・福田雄一監督が実写映画化した本作。オファーを受けた際、どのように感じられましたか?

目黒:僕はもともと原作が大好きで以前から読んでいたのですが、まさか自分が坂本役を演じる機会をいただけるとは思っていなかったので、ものすごくびっくりしました。
純粋に「ふくよかな坂本はどうやってやるのかな」と思いましたが、もともと好きだった作品にチャレンジできるなんてとても光栄なこと。アクションだけでなく、コメディにも挑戦してみたいと思っていたので、僕にとって本作はそのどちらも叶えられてしまう作品です。初タッグとなった福田監督のもと、福田ワールドを体験できることも幸せなことで、現場に入ってからも監督の温かさを感じていました。

高橋:原作やアニメを観て、『SAKAMOTO DAYS』の世界観に魅了されました。作品の中で巻き起こるのは、彼らにとっては日常だけれど、僕らにとっては非日常の出来事。それでいてどこか身近に感じられてしまう、没入感やパワーのある作品だなと感じました。福田監督もフィクションとノンフィクションの間を行き来しながら、真摯に、丁寧に作品づくりをされる方だなと感じました。お話をいただいてからは、福田監督の求めることにどれだけの対応力を持って応えられるだろうかと考える日々でした。クランクイン前からワクワクしていましたが、撮影が始まってからも毎日が楽しかったです。

――目黒さんと高橋さんは、今回が初共演となります。シンは坂本を慕い、彼の相棒になっていく役どころですが、特別な絆で結ばれた2人を演じる上で心がけていたことはありますか。

目黒:クランクイン前に撮影の安全を祈願するお祓いをする日があり、文哉くんとはそこで初めてお会いして。
この作品において坂本とシンの関係性はとても大事なものだと思っていたので、そういった自分の考えは早い段階から伝えるようにしていました。撮影をしていく中では、文哉くんの対応力にいつも助けられ、日々の積み重ねにおいて「本当にこの人でよかった」と思うことばかり。文哉くんとだからこそ、坂本とシンの関係性を作っていけたんだと思っています。

高橋:初対面の日に、目黒さんから「坂本とシンの関係性においては信頼が大事になってくると思うので、信頼してもらえるように頑張ります」と声をかけていただきました。そこで「目黒さんの背中を追いかければいいんだ」、「目黒さんに手を差し伸べられる瞬間があれば、僕はただ手を伸ばすだけでいい」と感じることができました。その日に、目黒さんと握手をしたんです。ガシッと熱い握手をさせていただきました!

◆初の本格アクションにトライ!「家に帰って泣いたり…」

――ド迫力のアクションが大きな見どころとなります。目黒さんは、坂本のアクションを演じる上で大事にしていたことを教えてください。

目黒:「ふくよかな坂本の時にどれだけ身体を動かせるか」という挑戦もあり、スタッフの皆さんと一緒に、未知なる世界に挑んでいきました。難しさもありつつ、問題が出てくればその都度、話し合い、考えながら、みんなで坂本のアクションを作り上げられたと感じています。そんな中、特殊メイクをしていないスマートな坂本の時は身体が軽すぎて、何でもできるのではないかと思ったりして(笑)。アクションはもともと大好きで、極めていきたいと思っていたジャンルです。
プレッシャーよりも、挑戦できる喜びや充実感があり、一つ一つのアクションに対して「もう一度やりたい!」と思えるような楽しさがありました。

――シン役の高橋さんとは、どのように息を合わせていきましたか?

目黒:坂本がシンに蹴りを入れて、シンが吹っ飛ぶというシーンがあります。撮影では、シンの顔のギリギリのところで蹴りの脚を止めないといけないんですが、文哉くんは身体能力もあるし、「当たっても大丈夫ですよ」という佇まい、度胸もあって。だからこそ、こちらも遠慮なく向かっていくことができました。

高橋:僕は、絶対に当たらないと思っていたんです。目黒さんは絶対にギリギリのところで止めてくださると思っていた。もし当たったら、美味しいご飯を奢ってもらえばいいと思っていました(笑)。

目黒:あはは!

高橋:僕のクランクイン初日は、坂本がシンを助けに来てくれるシーンでした。そこで、目黒さんのアクションを間近で見ることができて。鉄パイプでやり合っていくのですが、キレがありながら、動きがすべて完璧につながっていて、役として息をするようにアクションをしているような感覚を覚えました。シンは蹴りを得意とするキャラクターですが、目黒さんが作り上げた坂本を目にして「僕はその逆を行こう」と思って。スマートではない戦い方、荒さを大事にしながらアクションに臨もうと思いました。


――坂本とシンの個性や信頼関係のにじむアクションを目にすることができます。

高橋:僕はこれまでアクションをほとんどやったことがなかったので、早い段階から練習をさせていただきました。練習の初めの頃は、脚が腰より上にあがらない…という感じでした。

目黒:そうだったんだ。そんなこと、まったく感じなかった。

高橋:あまりにもできないので、家に帰って久々に泣いたりして。

目黒:ええ! マジか…!

高橋:そこから家でできることも教えていただいて、練習をしていって。「この人がシンでよかった」と感じてもらえるためには、やはりそれだけのアクションが必要ですから。思ったのは、成長って少しずつしか起きないものなんだなということ。徐々にできることが増え、最終的にはアクション面でもシンという役の幅を狭めることなく演じられて、とてもうれしかったです。

◆「僕らはどこか似ている」

――坂本&シンとして共演を果たし、お互いから刺激を受けたことはありますか。

目黒:僕は今回、文哉くんを見ていて自分と似たものを感じました。
僕は先輩のバックについてきた期間が長く、何かを移動させるとしたら、間違えずにここに運ぶとか、先輩にジャケットを着せるとしたら、絶対にミスをせずに着せに行くということをやってきた経験があるので、どこに行っても、寸分の狂いなく動きたいという感覚があって。文哉くんを見ていると、「目黒さんの好きなタイミングで動いてください。僕は合わせます」と言ってくれたり、実際にそこにバチン!と合わせに来てくれたりする。「自分でもそうするよな」と思うこともたくさんありました。あと僕は結構、気合いで行くタイプなので。たぶん、文哉くんも気合いや根性系なのではないかなと思います。

高橋:そうです(笑)。

目黒:そっちタイプだよね。そういった面でも共感ができるし、だからこそいろいろなことを合わせていくことができたのかなと感じています。その都度、「こうしていこう」と細かく話し合うことももちろん必要だけれど、それ以外に「あ、僕もそうするな」と思う瞬間もたくさんあって。そういった積み重ねで、坂本とシンの関係性を作れた気がしています。

高橋:僕も、目黒さんとどこか似ている気がしていて。
きっと皆さんから見ても僕らは似ていないと感じるでしょうし、僕自身もまったく違う種類の方なのかなと思っていたのですが、撮影が始まってコミュニケーションを重ねていくと、目黒さんが「なんだか、似ているな」と言ってくださることが多くて。その言葉に甘えていいんだなと思えましたし、僕はシンプルに役者として、そして人としても大好きな方のそばにいて、その人のために最善を尽くしたいなと感じていました。

目黒:本当にありがたいです。

高橋:本作では、シンが坂本さんを尊敬し、信頼しているからこそ生まれる物語や関係性があります。僕が目黒さんに初めて会った時に「大丈夫だ」と安心感を抱き、それからは「深く知っていきたい」と思うばかりでした。僕が信頼という感情と共に目黒さんを見るまでに、まったく時間がかからなかった。そうやってシンを演じることができて、とてもうれしかったです。

(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)

 映画『SAKAMOTO DAYS』は、4月29日全国公開。

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