【画像】三菱自動車と言えば「デリカ」。
これは、これまで最多だった2007年度の販売台数を上まわる数値であるという。2007年4月~2008年3月の販売台数は2万5765台だったから、ご長寿モデルとしては異例の好評ぶりであることがうかがえる。ちなみに2007年暦年(1月~12月)では2万7340台となっている。
さて、ロングセラーモデルのデリカD:5がこれほどまでに人気を維持している理由はどこになるのか? それは昨今のSUV人気やアウトドア志向の高まりに加え、なんと言ってもSUVの走破性にミニバンの快適性と使い勝手を融合させたところにある。「オールラウンドミニバン」というほかにはない三菱自動車ならではのユニークな商品性が好評の源泉となっている。
さらにロングセラーモデルにあって、2013年にはクリーンディーゼルエンジンの採用や2019年のデザイン刷新とパワートレーンの大幅改良を行うなど継続的に商品力を高めていることも、新規に購入する人はもちろん代替えユーザー層を生んでいるのが人気の秘密と言えよう。
こうした背景もあり、デリカD:5は2020年以降、年度における販売台数を更新し続けているのだ。
■独自路線を貫く歴代デリカ
デリカは1968年に初代モデルが登場。以降、「さまざまな道路状況において、確実に乗員や荷物を目的地まで運ぶクルマ」として、多くのユーザーから支持されてきた。
1ボックスバンをベースに仕立てられた初代デリカから、その人気を確固たるものにしたデリカスターワゴン(2~3代目)、短いノーズを付加しながら前輪をシートしたから足元前方に移して現在のミニバンスタイルへと転換したデリカスペースギア(4代目)を経て、さらなる居住性向上や、環状骨格構造(リブボーンフレーム)による高いボディ剛性や安全性、耐久性を向上させるなど商品力を強化した現行(5代目)デリカD:5へと進化。
歴代モデルでの累計販売台数は約140万台となっており、デリカD:5だけでも発売から19年間で31万台を超えている。デリカD:5は三菱自動車らしいユニークな商品として国内販売を牽引しているのだ。
そんなデリカD:5は2026年1月に大幅改良を実施しており、エクステリアデザインではより力強さを際立たせたリヤデザインを採用。先進機能や利便性の高い装備を充実させている。さらに三菱自動車独自の四輪制御技術である車両運動制御システム「S-AWC」を新搭載。さまざま天候や路面で高い走破性と優れた操縦安定性を実現する。
この大幅改良モデルは発売に先駆けて2025年10月30日に予約受け付けを開始し、正式発売前日の2026年1月8日までに約7000台を受注しており、期待の高さがうかがえた。実際、発売後に丸1カ月の販売台数を集計できる2026年2月(28日間)には3378台、翌3月(31日間)は3699台と大幅改良後の月販台数計画2000台を大きく上まわっており、2025年度販売台数の最多台数更新に貢献したかたちだ。
ちなみに、三菱自動車の2026年3月の登録車(普通)販売台数ではアウトランダーが1095台、エクリプス クロスが555台と、デリカD:5の圧倒ぶりがかいま見える。
三菱自動車の中澤範行国内営業本部長は今回の発表に際し、
「『デリカD:5』は、発売から19年にわたり、時代のニーズやお客様の期待に応えるべく改良を重ねてきました。三菱自動車が培ってきた4WD技術やSUV技術を活かし、高い走破性優れた耐久性を磨き続けるなど進化を通じて、『デリカ』ならではの独自のブランド価値を確立し、ライフスタイルの多様化やアウトドア需要の高まりとともに、幅広い価値観に応えるモデルとして支持を広げてきました。SUVの走破性とミニバンの快適性高次元で融合させた唯一無二のパッケージは、変化する市場環境の中においても揺るがない魅力として評価されており、今後もその価値をさらに高めていきます。」とコメントしている。
■次期型まで人気は続く!?
19年目にしてさらなる改良を加えて進化させてきた現行型だが、そろそろ代替わりの気配が見えてもよさそうだ。とはいえ2025年10月のジャパンモビリティショーではその兆候は見られなかった。
デリカD:5の後継を示唆するコンセプトカーは、さらにひとつ前のジャパンモビリティショー2023で出品した電動クロスオーバーMPV「MITSUBISHI D:X Concept(ミツビシ ディーエックス コンセプト)」。ミニバンスタイルはまさにデリカの後継か?と思わせるに十分な存在感を放っていた。これはデリカの特徴である広い室内空間と高い安全性を継承しながら、未来のカタチとして「絶対安全大空間×絶対走破性」をデザインコンセプトに、大空間キャビンとそれを守るプロテクティブボディを提案したもの。
未来感たっぷりなフォルムはあくまでも未来のカタチという立ち位置だったが、ここで示されたボディ構造は、デリカD:5で採用している環状骨格構造をさらに強化して採用。これにより高い安全性と乗員を包み込む安心感のある広い室内空間を実現するとしており、デリカD:5の次期型への期待感を高めるものだった。
新たなパワートレーンとしてPHEVの投入も提案していたが、これはアウトランダーやエクリプス クロスですでに実現している。電動車でも高い走破性を有する、三菱自動車が培ってきた電動化技術をデリカにも採用することで、環境への配慮や走るよろこびにつなげるというもの。
特に注目したいのはPHEVとともに提案した電動4WDシステムに走る・曲がる・止まるを統合制御する「S-AWC」を取り入れていること。大幅改良を実施した現行型にもパワートレーンは異なるが、このS-AWCを採用してきた点は年を重ねた分の進化点として、現行モデルに取り入れてきた。
こうした進化を続ける現行型をあえて全面刷新する必要があるのか? というオーナーすらいるのではないかと思えるほど確固たる地位を築き上げているのが、デリカD:5なのである。
〈文=ドライバーWeb編集部〉

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