子供の頃は、「大人になればコーヒーが大好きになってるはず」と想像していた。しかし、人間の味覚も嗜好もそう簡単に変わるわけがなく。
みんなが美味しそうにコーヒーを飲んでいる中、私だけは紅茶をオーダー。その点を、昔は妙に気にしていた。

そんな時、忌野清志郎が「紅茶が好きで、よく飲んでる」と“紅茶派”を表明していたのだ。これには、私も自信を持った。絶対的に勇気付けられた。それからは一点の迷いも無く、私も“紅茶派”です。


実は、我々のような人種には興味深い“紅茶トリビア”が、ある場所で連載されている。それは、タカナシ乳業株式会社から発売されている『タカナシ 低温殺菌牛乳1000ml』(税込み283円)である。
この商品のパッケージの側面広告欄で、7月1日よりミニコラム「ミルクと紅茶のお話」(全10回)が掲載されているのだ。

このコラムを書いているのは、紅茶研究家であり紅茶専門店「ディンブラ」を経営する磯淵猛氏。
“紅茶研究家”なんて聞き慣れない職業だが、だからこそ日本屈指の存在である。

実はコラムの第1回が、発売中の商品にすでに掲載されている。
すごく面白い内容なので、ここに要約して紹介させていただきます。
題して「ミルクは先か、後か、英国紅茶論争ついに決着」。

イギリスといえば紅茶の国だが、その代表的な飲み方は、1870年ごろから流行った“ティー・ウィズ・ミルク”(紅茶と牛乳を一緒に混ぜたミルクティー)。
ところが、ミルクの入れ方によって美味しさが変わるという論争が勃発した。“ミルクインファースト派”(カップに先にミルクを入れ、後から紅茶を入れる)と、“アフター派”(先に紅茶を入れ、後からミルクを注ぐ)が対立するようになったのだ。
要するに、「先にミルクを入れると、よく混ざり香りが立つ」という主張と、「後からミルクを注ぐ方が、加減を調節できて便利」という主張のぶつかり合いである。


この論争はなんと130年間も続き、2003年にイギリスで最も権威がある王立化学協会が決着をつけた。軍配が上がったのは、“ミルクインファースト派”。その方がタンパク質の熱変性が少なく、さらっとした美味しさになる。これは、化学的に立証された結果である。

といった内容のコラムなのだが、連載は第2回、3回、と続いていく。他にも「イギリス人がこだわる完璧なミルクティー」、「イギリスの朝食とミルクティー」、「元気回復インドのチャイ」などなど、読み物を通して低温殺菌牛乳と紅茶の知られざる相性の良さを伝えてくれるのだ。


新しい試みである。“飲む楽しさ”だけではない。“読む楽しさ”と、両方が味わえる。
(寺西ジャジューカ)