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「やる気だけは誰にも負けません!」とか言われても……『大学キャリアセンターのぶっちゃけ話』

「やる気だけは誰にも負けません!」とか言われても……『大学キャリアセンターのぶっちゃけ話』
『大学キャリアセンターのぶっちゃけ話』沢田健太/ソフトバンク新書
12月になって会社の採用活動の中心である企業説明会が一斉に解禁になった。就職活動シーズンの開始である。急に寒さが厳しくなったが、みんな体に気をつけてね。
これから就職活動に入ろうという学生と、その家族の方によい本をお薦めしたい。沢田健太『大学キャリアセンターのぶっちゃけ話』だ。著者は民間企業の人事職から教育産業に転じ、さまざまな規模の大学でキャリアセンターの職員として働いてきた人である。サブタイトルに〈知的現場主義の就職活動〉とあるところがミソ。知的現場主義は、就職活動の当事者であるすべてにかかる。職を求めて歩く学生、それを受け入れる側の企業、仲介をする立場のキャリアセンター、その三者だ。
実際に読んでもらうのがいちばんいいが、本書の内容は単純に言うと以下の3点に要約できる。
その1、大学及びその中の専門機関であるキャリアセンターは「行き過ぎた適応主義」に陥るな。
本書によれば大学内にキャリアセンターなる部門が設置されるようになったのは1999年の立命館大学が最初の例で、2000年代に入って国公立や私立、規模の大小を問わずに右を倣えで設立されるようになったという。入学者獲得の切り札として、大学生き残りをかけてキャリアセンターの充実を図ろうとしているところもある。いいことだろう。しかし、対外的に業績を誇り(就職率についてのカラクリも本書には書かれている)、すべての学生に行き先を見つけようという親心からか、大学の考える「企業の理想とする就職活動スタイル」に学生を当てはめようとするキャリア教育が行われることも多い。それが「行き過ぎた適応主義」だ。そうしたあり方は本来あるべき大学教育のあり方ではない上に、学生のキャリア形成にも悪影響を与えるものではないか、と警鐘を鳴らしている。この「行き過ぎた適応主義」について気になる人は第1章「キャリアセンターの事情」を読もう。

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