街の中心部などでは、とにかくすごい台数が、すごい勢いで目の前を駆け抜けていく。信号はあるけれど、「一体いつ渡ればいいんだろう?」と心配になることも。
そんな“バイク天国”ベトナムでは、その台数だけでなく、「乗り方」もまた、圧倒的だ。
1台の小型バイクに3人、4人と、曲芸状態で器用に疾走する姿も珍しくない。そして、積み荷もまた、どういうことになってるんだという、「自由な」状態になっている。
写真集『それ行け!! 珍バイク』(ハンス・ケンプ/グラフィック社刊)は、そんなベトナムの人たちの「ありえない」バイクの乗り方の写真ばかりが一冊まるごと収録されている。出版元によるとこの写真集は、アジアを拠点に活躍するフリーのカメラマンの手によるもので、海外で出版されたものの日本版になるという。
自分の座高よりもはるかに高く積んだ飲料品を後ろに積み、ハンドルには中身がギッチギチに詰まったビニール袋をひっかけて走る女性。
何メートルもあるホースを、自分の身体にグルグル巻きに巻き付けている男性。
食用のものなんだろうか、アヒルを何十羽も後ろにひもでくくり付けている女性もいる。そして、ブタも! 一匹ずつビニール袋に入れられた金魚も! 大きな棚や鏡、トラック用らしき巨大なタイヤだって、バイクの荷台で運んじゃう。
そこには「荷物かごに収まるサイズ」といった概念は存在しない。とにかく過剰。基本、上へ上へと過剰に積む。落とさない限り、限界まで載せる。