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原発、尖閣諸島、新幹線……みんな角栄からはじまった。没後20年、田中角栄の功罪を検証

「脱原発」と言うのはたやすいが、いざ原発をなくそうとしたとき、立地自治体に新たな産業を育てようにも、上記のような体質ゆえ、かなりの困難がともなうことは間違いない。一昨年の福島第一原発の事故は、安全神話を打ち砕くとともに、田中のエネルギー政策から生まれたシステムの欠陥をあらためて浮かび上がらせたといえる。

■日中交渉のなかでの尖閣発言
田中角栄の業績といえば、首相となって2カ月後の1972年9月に日中国交正常化を実現したことがあげられる。政治学者の服部龍二の『日中国交正常化』(2011年)では、このときの一連の交渉を、近年公開された外交文書や関係者への聞き取り調査などによって、綿密に分析・考察している。

日中国交正常化は、田中が政権発足時に掲げた「決断と実行」を強くアピールするものであったが、同書を読むと、田中の外交能力を疑ってしまうような場面もちらほら出てくる。たとえば、ときの中国首相・周恩来との会談中、田中は唐突に「尖閣諸島についてどう思うか?」と発言している。これに対し、周恩来は「尖閣諸島について、いま話すのはよくない。石油が出るから、これが問題になった。出なければ、台湾もアメリカも問題にしない」と、議論を避けた。

近年加熱している尖閣諸島の問題は、1970年代に入ってから中国や台湾が領有権を主張し始めたことに端を発する。自民党外交調査会はこうした情勢を受けて、1972年の沖縄返還を前に、尖閣諸島が日本領であることを確認していた。

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2013年12月16日のレビュー記事

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