まず、徹(大泉洋)の
「それじゃジジババ詐欺じゃないの!」
元治(田中泯)と文(田中裕子)と一緒に住もうと甘いことを言って、じつは塩田の土地を狙っているだけだった息子・哲也(池内博之)たちを非難する台詞です。
次は、
「公務員が絶対にしてはいけない事は何だ?
規則違反と公私混同だ。
仕事に私情を交えるな」
紺谷課長(板尾創路)が、希(土屋太鳳)に言い放つ、名言というか正論過ぎる正論。
そして、
「ふたりやったらパワーも倍になるがいね。
夢も絶対かなうような気がしてくる」
一子(清水富美加)は、圭太(山崎賢人/大でなく立のほう)とつきあってこう感じていると希に話します。
「うちらと希ちゃんが出会えたみたいに
誰かと誰かや出会える
懸け橋になるげんろ。
まんですてきな仕事やがいね」
みのり(門脇麦)が希を励ます台詞です。
「人間ちゅうがは
業の深い生き物やなと思て」
哲也の妻や娘たちの本音を聞いたときの一徹(葉山奨之)の、なにやら老成した感じのつぶやきは、姉譲り? どうも「まれ」の若者は妙に大人びた言い方をします。
あともうひとつ
「孤独に音楽に向き合うために移住してきたの。
それぐらい把握してない訳?」
土地に馴染めない移住者・シタールアーティストの京極ミズハ(内田慈)が希に言う、勘違いもはなはだしい台詞。
このように、「まれ」では、1話のなかで、我も我もといい台詞を吐きます。演技合戦という言葉がありますが名台詞合戦です。
とはいえ、名言振り返りはここまでにして、
京極役の内田慈に注目しましょう。
内田慈(うちだ・ちか)は、フリーの女優として、五反田団、ポツドール、ハイバイ、イキウメなど様々な小劇場公演に客演し続ける売れっ子です。思いきりがよくて、色っぽくて、演出家の要望に的確に応えることのできる女優で、小劇場のみならず邦画でも引っ張りだこ。主演映画「ロストパラダイス・イン・トーキョー」もあります。
彼女が、インパクトあるシタール・アーティスト役として朝ドラに参加することで、朝ドラで俳優がブレイクする伝説がまたひとつ生まれることを期待。吉田羊のように急速に認知度を拡大する可能性だってなくはありません。(木俣冬)
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