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芥川賞は滝口悠生「死んでいない者」が本命!又吉直樹と羽田圭介の次のスターを予想する

藤田 ちょっと冷めますよね、図式が見え透いていて。

飯田 震災の扱いもデビュー作「太陽」のほうがクールで、今回のオチは主人公が津波に呑み込まれるシーンなんだけれども、ちょっとひどい。

藤田 あの結末の意味は捉えにくいですね。ぼくも「異郷の友人」は、評価低めです。

飯田 ここまでひどく書いてもかまわないと思えるくらいに、一部の作家のなかではもはや3・11は風化した出来事なんだなとわかった点では、意味のある作品でしたが。

藤田 もう五年経ってますからね……。風化は確実に起きていると思います。ただ、ぼくは、文学は何をどんな風に書いてもいいと考えているので、みんな書き方が大人しいという方が気になります。高橋源一郎さんの『恋する原発』みたいに、原発事故とAV撮影を重ねる、あからさまな不謹慎も可能なのが文学の良さなのと思うのですが。

あまりに地味で、フォーマットすぎる――石田千「家へ」


芥川賞は滝口悠生「死んでいない者」が本命!又吉直樹と羽田圭介の次のスターを予想する
石田千『家へ』

藤田 さて、石田千さんの「家へ」はいかがでしたか。これも、無理に言えば、親族や地域のネットワークを描いたものと言えなくもない。それ自体に視点があるわけではないけれど。

飯田 さびれていく地方都市で、漁師のじいさんがいる家族に焦点を当てながら、とくに大きなイベントもなく進む話。
 ボブ・ディランの曲をギターつまびきながら弾いて「どんどん変わってくんだ」みたいなことを言う父親が出てくるんだけど、むしろディランという選択の古さを含めて、停滞が印象付けられた。これが20年前に書かれていても30年前に書かれていてもそんなに違和感がない。

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