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二・二六事件とは何だったのか 80年以上経った今、改めて振り返る

       
ここから日本は一気に戦争に突き進んでいったとは、これまたよく言われるところだ。ただし事態はそう単純ではないと考える研究者は多い(たとえば古川隆久「世相から見た二・二六事件」、北博昭「「戦争への道」を二・二六事件で説明するなかれ」、いずれも『二・二六事件とは何だったのか――同時代の視点と現代からの視点』藤原書店所収)。

たしかに事件後に発足した広田弘毅内閣では、軍部大臣現役武官制をはじめ、軍部の政治介入の手段となりうる制度変更が行なわれた。事実、陸軍はこれを悪用し、広田の後任に選ばれた宇垣一成の組閣の際に大臣を出さず、政権発足を阻んでいる。しかし、この結果生まれた林銑十郎内閣は、1937年5月に議会勢力との対立に敗れ、発足からわずか4カ月で退陣している。
二・二六事件とは何だったのか  80年以上経った今、改めて振り返る
藤原書店編集部編『二・二六事件とは何だったのか――同時代の視点と現代からの視点』。国内外のメディアの二・二六事件報道について詳述するのをはじめ、複数の研究者による事件の考察を収録。とくに御厨貴へのインタビューはわかりやすい

言論の自由も制限はあったとはいえ、まだかなりのレベルで残されていた。二・二六事件後初めて開かれた1936年5月の国会で、斎藤隆夫や尾崎行雄は陸軍を厳しく批判する演説を行なった。またジャーナリストの馬場恒吾は、二・二六事件の際の一般人民の沈着さと冷静さを讃え、人々がいかなる事態が起ころうとも、軍部にも政党にも冷ややかなまなざしを向け、あくまで実務的な政治を望んでいることを読み取っている(御厨貴『馬場恒吾の面目――危機の時代のリベラリスト』中公文庫)。

あるいは、1931年の満州事変勃発、さらに33年の国際連盟脱退をもって日本が国際社会から孤立したということもよく言われる。

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