「本日はあの『乾杯』が歌われます」
と司会の森高から発表される。しかし、当時の「乾杯」と、今の「乾杯」では大きな違いがあると長渕さんはおっしゃいます、と。日本の社会が変わっていく中で、楽曲の意味も変わったのだと。

「この時代だから、届けたい新しい『乾杯』がある」

長渕の思いが紹介される。なんだろう、今風にアレンジしたのか? まさかアイドルとコラボ? ゆずとはNHKで共演してたよな……そんなことを頭にめぐらせていると、長渕が歌い出した。

「アメリカの大統領が誰になろうともおおぉぉぉーー!!、凶と出るか吉と出るかってそりゃ俺たちしだいじゃねーかああぁぁーーー!!!」

え?

「うほぉおおお!!!」

扇動的な叫びが連呼される。
聞いたことのない歌詞だ。曲調もやたら激しい。フリースタイルのラップか早口言葉のようだ。
マスコミの理不尽さを嘆き、ヒットチャートには騙されないぞと吠え、ワイドショーに牙を向ける。浴びせてくる。歌というか、怒りそのものだ。

それは完全に知らない曲だった。少なくとも友人の結婚式では歌ってはいけない曲だし、なんなら仲間内の予定調和なカラオケでも、控えた方が無難だろう。それくらい、強い意志をもった、強い曲だ。

「歌の安売りはやめろ」と、音楽界・芸能界の現状を嘆き、気づいたら、兵士が死んだ話が語られている。そして突然、

「かたい絆に~」


馴染みの歌詞が飛び出してきた。
やっぱりこれは、「乾杯」だったのだ。

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「「FNS歌謡祭2016」第一夜で何が起こったか。衝撃の秀樹と怒号の長渕と」の画像1 「「FNS歌謡祭2016」第一夜で何が起こったか。衝撃の秀樹と怒号の長渕と」の画像2 「「FNS歌謡祭2016」第一夜で何が起こったか。衝撃の秀樹と怒号の長渕と」の画像3