プロポーズをするために1日休める「プロポーズ休暇」という福利厚生制度を持つ会社がある。婚活支援を行う会社「パートナーエージェント」だ。
プロポーズを仕事より優先できるだけでなく、プロポーズが成功したら従業員でお祝いをし、フラれてしまった場合は従業員同士で励まし合うという。担当者にどのように利用されているか聞いてみた。
「プロポーズ休暇」のメリット
プロポーズ休暇を福利厚生制度として見た場合、従業員にとってのメリットはどこにあるだろうか。パートナーエージェントの担当者は、次のように話す。
「メリットとしては、従業員みんなで幸せを分かち合えるところでしょうか。弊社の企業理念は『世の中に、もっと笑顔を。もっと幸せを。』なのですが、大切な人を思いやる愛情の大切さを伝えるエージェントとして、自らその愛情を体現することの大切さを企業全体として考えるため、開始されました」
実際、プロポーズ休暇はどんな風に使われているのだろうか。過去実例を聞いてみた。
「弊社は女性従業員の多い会社ですので、結果的に女性の事例が多くなっております。
また女性側はプロポーズを受けることが多いため、なかなかプロポーズされる日を特定するのはむずかしくなります。そこでプロポーズされた後、後日、両家の挨拶や婚姻届提出などの日に利用するケースが多くみられます。
プロポーズ休暇を使って婚姻届を出し、そのあとゆっくり記念日ディナーをした女性従業員は『普段の休暇と違い、プロポーズ休暇としての休みだったので、何だかより特別な一日になった感じがした』とのことでした」
会社公認で、結婚関連の休みが取れるというのは、何より気持ちの面で気がねが要らない点で安心といえそうだ。
他企業の恋愛・結婚にまつわる休暇制度
こうした恋愛や結婚にまつわる休暇制度は、他企業でもいくつか見られる。
例えば美容室を運営する「チカラコーポレーション」には「失恋休暇」という制度があり、失恋した翌日から「20代前半なら1日、20代後半なら2日、30歳以上は3日」休暇を取得できるという。年齢を増すごとに失恋のダメージが強いということなのだろうか。
また、採用コンサルティングを行う「ツナグ・ソリューションズ」の「LOVE休暇」は、「年1回、大切な人の誕生月に休暇がとれる制度」である。しかもプレゼント代として、会社から1万円まで支給されるそうだ。ちなみに大切な人とは、親でも良いようだ。
ネットショップ支援サービスの「いつも」には、通常の有給休暇とは別に、結婚式のために5日間の休暇を申請できる「結婚休暇制度」がある。「入籍・挙式・新婚旅行」など結婚に関することであればいずれも使用できるそうだ。
時代の流れに沿い、今後もますますこうした会社公認の恋愛・結婚にまつわる休暇制度や福利厚生は充実していくのかもしれない。
取材協力
株式会社パートナーエージェント
『世の中に、もっと笑顔を。もっと幸せを。」という企業理念のもと、2007年にサービスを開始。コーチングスキルをもった専任コンシェルジュが、実績データを元にし、婚活設計を行い、独自のプログラムで会員様一人ひとりに適切なアドバイスやサポートを行っている。
(石原亜香利)