チェアマンのフジテレビいじりから幕を開けた『IPPONグランプリ』(フジテレビ系列)。

Aブロック:センス vs ナンセンス
Aブロックの回答者は堀内健(ネプチューン)、中岡創一(ロッチ)、博多大吉(博多華丸・大吉)、大悟(千鳥)、木下隆行(TKO)。4月から『あさイチ』の司会者に決まった博多大吉、「お台場よりNHKを意識して」と主婦層に向けてアピール。
振り返れば第1問から第4問まで、ずっと博多大吉と大悟がトップタイで争う展開だった。二人の回答を並べてみると、全く逆の流派であることが際立つ。例えば、第2問「『1m2cm』これ何の長さ?」で、二人がIPPONを取った回答はこうだ。
【博多大吉】
・日本豆腐協会が毎年10月2日 ベストトーフニストに贈る豆腐トロフィーの全長、豆腐だけに102cm
・吉田沙保里と谷亮子が安全にすれ違える距離の限界
・3歩進んで2歩下がったときの水前寺清子さんの幸せ歩幅
【大悟】
・殿様献上オオウナギ
・昔のゑ
・セックス中 離れても、まぁ……
少ない手数で着実に点を取る博多大吉と、ホームランか三振という振れ幅を手数の多さでカバーする大悟。まさにセンスvsナンセンスの戦い。第3問で大悟が0点を取ってしまうハプニングもありながらも、迎えた第4問は「『おしり派vsおっぱい派』の討論会が決着。決め手となった意見とは?」。
NHKを意識していた大吉先生が、ここに来ておっぱいとおしりに挟まれてしまう。
・「まだそんなこと言ってるんですか?」と大谷翔平にたしなめられた
・店員さんの「そろそろラストオーダーですけど」の一言でなんとなくおっぱい
・「喉が渇いた時はおっぱい、お腹が減った時はおしり、どちらでも無い時こそ彼女をの全てを愛してください」という金八先生のスピーチ
一方大悟は「給水所にあったらおっぱいとるやろ」「何百年も前はおっぱいって『山美神(やまびしん)』って言ってたんです」「おっぱいはいいよなぁ〜」と、本人も無意識のうちに全ておっぱい派で回答。9本で並んだ大悟&大吉がサドンデスへ。お題は「絶対出たくない番組を教えてください」
・あさイチからのバイキング(博多大吉)
・けん志村の白ぬらない話(大悟)
博多大吉はうっかり『バイキング』Disになったことに大慌て。実際の番組名を出すと角が立つし、スカシすぎても面白くない。突破口を開いたのは大悟だった。
「ダレノガレの笑(わらい)」
スタジオ観覧ゲストのダレノガレ明美をイジるという手に、チェアマン松本も「それがあったか」と感心。サドンデスを制し、大悟が初の決勝進出へ!
Bブロック:「い・る・わ・け・ないじゃん?」
Bブロックの回答者はバカリズム、川島明(麒麟)、小沢一敬(スピードワゴン)、秋山竜次(ロバート)、昴生(ミキ)。昨年のM-1グランプリで博多大吉に審査された昴生が、再び大吉に審査されることに。
第2問が終わった段階でバカリズム、川島、秋山が横一線。第3問は「お姉ちゃん もう恥ずかしいから本当にやめて!」どんな状況?。
・お姉ちゃんのことを恥ずかしいと思う僕の方が、恥ずかしいかもしれないね(小沢)
・飛んでる虫を舌でシャッ!(絵:バカリ)
・行動のひとつひとつが昔すぎる(秋山)
・雨を飲む(絵:バカリ)
・ライダースジャケットばかり着て!近所でなんて言われてるか知ってる?藤岡弘だよ!?(川島)
・流行ってるのは「そだねー」だよ、ずっと間違えて「んだんだ」言ってる(川島)
バカリズムは全て絵、川島は全て妹(もしくは弟)からの苦情という回答。バカリズムの「手編みのマフラーをプレゼントするためにまず手編みの彼氏を作った」という回答には客席から悲鳴があがり、第3問終了後にバカリズムが「本当にいたらどうしようって思うんですかね。
第4問のカルタお題を終え、バカリズムと川島が9本で並びサドンデスへ。お題は「世の中でもっともヌルヌルしていてはダメなものを教えてください」。
表面がヌルヌルしている様子を描き「フリップ」と回答した川島。しかし届かない。続いてバカリズム。「スーパーマリオのここ(旗の直前の階段)」の絵回答を決め、見事IPPON!
コメントを求められ「ちょっといま泣きそうです」とバカリズム。それもそのはず、バカリズムのサドンデスは過去10回で2勝8敗。最後の優勝(2011年6月)から7年弱、8回目の決勝進出で王座を取り返す。
決勝戦:センスvsナンセンス再び
Aブロックを勝ち上がった大悟と、Bブロックを勝ち上がったバカリズムによる決勝戦。まさにセンスvsナンセンス再び。知性vs野性、クレバーvsクレイジーといった真逆のタイプがぶつかりあう。
第1問と第4問は恒例となった「動画でアフレコ」。大悟はVRで怖がるおばあちゃんに「短髪ばあちゃん」、水浴びするゴリラに「わしの名前は石力(いしりき)じゃ」と、話の流れを無視して裏切り続ける。「石力……!」と嘆くノブの声が聞こえてきそう。
一方バカリズムは着実に芯を捕らえていく。第1問のVRばあちゃんには、玄関からヨネスケを侵入させてIPPON。第2問『「呪いの入れ歯」はめるとどうなる?』では「保険がきかない」で2本目を取る。
大悟も負けていない。第3問は「長い名前を叫んで下さい」。普通に考えたら長い名字や名前を考えてしまいそうだが、ここでも大悟は裏切った。
「舟木ぃぃぃぃぃぃぃぃ」
20年前の長野オリンピックだ。まさかの「ぃ」で長く伸ばすアプローチ。この裏切りで1本を返す。
バカリズム2本、大悟1本。第5問は「『ひとくち ちょうだい』くらいのイラッとすること言ってください」。静まりかえるスタジオ。最後に決めたのは、バカリズムが一答目で出したこの答えだった。
「すみません よくわかりません」
言葉を聞き取ってくれない音声アシスタント! 絶妙に共感できる「イラッ」をつかみ、見事IPPON! バカリズムが2011年以来、4回目の優勝を果たした。17大会連続18回目の出場で、絶対王者が帰ってきた!
松本チェアマンも「特に今日のバカリズムはスゴかったなぁ〜」と振り返る。それでは最後に一言お願いします!
松本「これでいいのだ!」
以上、IPPONグランプリでした!
(井上マサキ)