第23週「わろてんか隊がゆく」第133回 3月10日(土)放送より。
脚本:吉田智子 演出:川野秀昭

133話はこんな話
無事に帰って来たわろてんか隊にさっそく第二次陣の依頼があるも、それに応じることに悩む。
ヒロイン・てんの重要性
いよいよ残り3週間となった「わろてんか」、視聴率はおおむね良好で、平日は20%を超え、土曜だけ19%台という流れが続いている。ところが、23週には異変が。
残り3週、てんの活躍を期待する。
「俺らが行かなあかんのや」
リリコ(広瀬アリス)は、日本に帰ってきて真っ先に兵隊さんの手紙を届けに行く。だが、すでに兵隊さんは戦死していた。
シローと交代でいきさつを台詞で解説したあと、「いやや、うち こんなんいやや」とリリコは泣き崩れる。
戦争の厳しい事実に直面したてん(葵わかな)は、わろてんか隊の第二陣をやめたほうがいいんじゃないかと考える。
風太(濱田岳)が家に帰ると、トキ(徳永エリ)が涙で出迎える。
わろてんか隊は、前線ではなく安全圏にいるとはいえ、完全に安全とも言い切れない。大砲の音が聞こえてきたこともあり、巻き込まれる危険性はある。
それでも風太は、第二陣を出そうと思う。
「これは行ったもんにしかわからん」と残る栞(高橋一生)に、てんやトキのことを託す風太。
「俺らが行かなあかんのや」
なんとなく風太がヒーローのようになってきた。
キースもアサリ(大野拓朗、前野朋哉)も、万丈目も、リリコもシローも、行くと言う。
「お国のため会社のためやのうて、言うたら自分らのために行くんや」とキース(大野拓朗)もなんだかかっこいい。
129話のレビューで紹介した、キースのモチーフのひとり横山エンタツによるわらわし隊の記録と重ねると、キースがものすごく奥深い人間に思えてくるから不思議だ。
「つらいときこそ笑うんや」
てんは、亡き兄・新一(千葉雄大)のことばを思い出す。
「つらいときこそ笑うんや」
これは、
11話で新一が語った台詞。
知性と教養のあった新一(てんの兄)は、人間がなんのために笑うのか、哲学的なことをてんに説いた。
これこそが「わろてんか」の通奏低音で、これまでも、たびたび、それを確認するようなエピソードが登場してきた。
関東大震災のとき、風太は東京にボランティアに向い「笑いは一番のご馳走」と言っていた。
「わろてんか」84話。千原ジュニアの「被災地初の“お笑いドキュメンタリー”」と趣旨は同じなんだと思う
関東大震災のエピソードの放送は、1月17日の阪神淡路大震災があった日に近く、今回の戦争と笑いのエピソードの放送は、3月11日の東日本大震災があった日に近い。
てんばあちゃん
やっぱり出た、藤吉(松坂桃李)。完全に土曜レギュラーである。
でも、次週予告に出てきた、栞とてんの時代劇カットが気になる。
(木俣冬)