7月12日(木)、木曜劇場『グッド・ドクター』(フジテレビ系列)の放送がスタートした。
フジテレビ系では初めてとなる山崎賢人主演ドラマ。初回の平均視聴率は11.5%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)だった。
原作は、2013年に韓国で制作・放送された同名ドラマ。2017年にはアメリカでリメイク版が放送されている。

「人の気持ちがわからない人間に医者は務まらない」
新堂湊(山崎賢人)は、自閉スペクトラムでサヴァン症候群の青年。幼い頃に出会った医師・司賀明(柄本明)に素質を見出され、東郷記念病院小児外科のレジデントとして働くことになる。
ともに働く医師たちも、患者であるこどもたちの保護者も、湊に厳しい視線を向ける。
自閉スペクトラムには、その行動をとることで相手がどういう気持ちになるか、忖度したり先回りすることが苦手な傾向がある。だから、正直に「そのままの事実」を伝えてしまい、トラブルや誤解の原因になることもある。
湊は入院していた将輝(嶺岸煌桜)に、まだ退院できないことや手術を控えている“事実”を聞かれるまままに伝えた。まだ息子にそれらを伝える心の準備ができていなかった将輝の母親は、動転してしまう。
将輝の母「先生たちは、自分のこどもをああいう人に任せられますか!?」
「ああいう人」という鋭い言葉の選び方。「ああいう人って、どういう人ですか?」と聞いても、上手く答えられないだろう。
湊に対して、お前は自閉症だからダメなんだという態度で接している人はいない。
なんだかよくわからない。なぜそんなことをするのかわからない。どう扱っていいかわからない。自分がわからないものへの恐怖や戸惑いで、湊は忌避されている。
瀬戸「いくら記憶力が優れていても、人の気持ちがわからない人間に医者は務まらない」
湊の教育を任された小児外科医・瀬戸夏美(上野樹里)が、湊を叱ったときの台詞だ。瀬戸のこの台詞は、自閉圏の人を世間や仕事から切り離す言葉に聞こえた。
湊に「(息子に)触らないでください!」と叫んだ母親は、最終的には将輝の命を助けてくれたことを感謝し、謝罪した。湊はそれに「大丈夫です。僕は人と違います、慣れています」と返事する。
「人と同じ/違う」とか「人の気持ちがわかる」とか、普段何の気なしに使ってしまう言葉について考えてしまう。
本当は、誰もが人と違い、人の気持ちなど誰もわからないのではないか。
俳優・山崎賢人の成長
自閉スペクトラムやサヴァン症候群の人を演じた俳優として、『ATARU』(2012年/TBS系)の中居正広や『僕の歩く道』(2006年/フジテレビ系)の草なぎ剛を思い出す。
山崎賢人の演技もいいスタートを切った。
恋愛ドラマのイケメンのイメージが強いが、演技の幅を広げ続けている俳優だ。2018年1月期放送のドラマ『トドメの接吻』(日本テレビ系)では、復讐心と良心に引き裂かれながらも自分の人生を見つけるホスト役を演じた。同年6月公開の映画『羊と鋼の森』でピアノの調律師を演じた際は、半年かけて調律の勉強をし役作りをしていた。
今回、将輝を演じた嶺岸煌桜は『トドメの接吻』で山崎が演じたホストの弟役を務めていた。ドラマでは死に別れた兄弟だった2人。再会を喜ぶコメントと写真が、山崎の公式Instagramにアップされていて嬉しい。
また、湊の同僚レジデント・丸井としてドラマ『バイプレイヤーズ』(テレビ東京)や映画『君が君で君だ』の監督・松居大悟が出演している。
今夜7月19日放送の第2話では、未成年妊娠と未受診妊婦を取り扱う。
(むらたえりか)
※山崎賢人の「崎」は「たつざき」が正式表記
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▼放送情報▼
木曜劇場『グッド・ドクター』
フジテレビ系にて、毎週木曜よる10時~放送※初回15分拡大
出演:山崎賢人、上野樹里、藤木直人、戸次重幸、中村ゆり、浜野謙太、板尾創路、柄本明、他
原作:『グッド・ドクター』(c)KBS(脚本:パク・ジェボム)
脚本:徳永友一(ドラマ『海月姫』、『僕たちがやりました』など)、大北はるか(ドラマ『刑事ゆがみ』、『好きな人がいること』など)
プロデュース:藤野良太、金城綾香
協力プロデュース:西坂瑞城
演出:金井紘(ドラマ『コンフィデンスマンJP』、『貴族探偵』など)、相沢秀幸(『隣の家族は青く見える』、『貴族探偵』など)
制作:フジテレビ
(c)フジテレビ
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