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北川景子「フェイクニュース」副題「どこか遠くの戦争」を突きつけた後編。それはネット炎上具現化なのか

デモ隊の登場はちょっと唐突な感じもしたが、その描写はさまざまなイメージを喚起させるものだった。デモ隊の衝突は、世論の分断の表れだろう。選挙用ののぼりに火がつくさまは、文字どおりネットの「炎上」を彷彿とさせた。その光景は、いまネット上で繰り広げられていることを具現化したものなのか、それとも、ネットでの問題を放置すれば、いずれ現実にもこんな混乱が起こりうるという警鐘なのか。このドラマの副題の「どこか遠くの戦争」とは、まさにこのクライマックスを指していたのだ。

編集長のセリフは作者のセルフツッコミ?


かつてマスコミがいまよりずっと信用されていた時代、新聞や雑誌の報道が、時の権力者を失脚に追いこんだこともあった。しかしこのドラマではそうはならず、東雲が英雄になることもなかった。選挙は現職知事の勝利に終わり、不正の捜査も秘書が逮捕されるにとどまった。家庭を失った猿滑も行く当てが見つからず、段ボールハウスに暮らしていた(前編では東雲が編集会議で「路上生活者の実態調査」を提案していたが、ここにつながっていたのか?)。

しかし東雲も猿滑も、また落選した最上も再起の糸口をつかみ、まずはハッピーエンドを迎える。バッシングがエスカレートして、完膚なきまでに叩きのめされがちな時代にあって、たとえさんざん叩かれても人生はやり直せるのだと、このドラマはあくまで希望を示して幕を閉じた。

後編で印象に残った会話がある。それは、東雲が知事の不正について記事にしたいと編集長の宇佐美に申し出た場面。このとき、なかなかGOサインを出さない宇佐美に、東雲は「嘘がまかり通る社会を娘さんに残したいですか。社会の崩壊を見せたいですか」という殺し文句を口にした。これに対し宇佐美は「東雲……いまのセリフ、用意してただろう」と返す。この宇佐美の言葉は、いかにもドラマっぽいセリフに対する作者の自嘲というかセルフツッコミともとれないだろうか。
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