脚本:福田 靖
演出:安達もじり
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎

81話のあらすじ
昭和32年10月。福子(安藤サクラ)の親友・敏(松井玲奈)から、世の中にない道具を作ろうとしている町工場を助けてほしいと頼まれ、萬平(長谷川博己)は織田島製作所にやって来た。
そこで開発している万能調理器の可能性を感じた萬平は即、100万円の融資を決める。
「万能 調理器 ハハハ」
「万能 調理器 ハハハ」
声のふるえで萬平さんの嬉しい気持ちが伝わって来ました。こういうとき、とても気持ち良い。
帰宅して、福子に万能調理器の構造を説明するときの生き生きしたところといい、萬平さんは発明が好きなのだなあと思います。
源もお父さんに似てアイデアがあり、手先も器用。黒豆とようじでムカデを作って、鈴(松坂慶子)を驚かせます。
でも、源も幸も、萬平が発明家だった時代を知らず、信用組合の偉い人という認識しかありません。
気づけば、信用組合の理事長になって8年。萬平は発明をしないで生きてきました。
視聴者としてはなぜ? と首をひねりますが、福子と子供ふたりを何不自由なく生活させるためだったのではないでしょうか。
三度も投獄されて苦しんだ体験もあるから、冒険することにも尻込みしてしまうでしょう。真面目に理事長の仕事をコツコツやっていれば安定が得られるのならそちらを選ぶ気持ちもわからないではありません。
8年とは長いけれど、意外と年月が経つのは速いもので、なにかしなくちゃと思いながら日々の生活に流されていくこともないことはない。……と妙に萬平に感情移入してしまう朝でした。
鈴が「貧乏性に育てた覚えがない」と不思議がる福子の白薔薇勤務も、お金がないことの恐怖がさせているのでは……とも思えます。
「描きたい絵がわからない」
81話は男ふたりの進路の悩みが描かれました。
忠彦(要潤)は絵が売れているにもかかわらず、こころはあまり動いていません。もっと違う絵を描いてみたいという気持ちがあるのです。
「ただね 問題がある」
「描きたい絵がわからない」
「違う絵が描きたいのにそれがどんな絵かわからない」と逡巡するも、家族は知らん顔。
これも、視聴者的には、なぜスルー? なぜ親身になって考えないの? と感じそうなところですが、
芸術家の考えに素人はそうそう介入できないもの。無視されればしゅんとはなりますが、だからといってなにかを外野に語られたところで、聞く耳をもたないもの。克子(松下奈緒)は芸術家の女房を長くやっているからよくわかっているのでしょう。子供たちも。
描きたい絵がなにかを見つけることは、忠彦にしかできないのです。しかも時間をかけて。
このエピソードにも妙に感情移入してしまいました。
さて、萬平さんにも忠彦さんにも次の目標が見つかるでしょうか。
「あさイチ」で大吉さんが男がもう寝ようと背を向けたときは、心が決まっているときというような含蓄あることを言っていました。男女限らず、決めるときはひとりなんですよね。
(イラストと文/木俣冬)
連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
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