即興のラップバトル番組『フリースタイルダンジョン』5th season Rec9-6(公式、→テレビ朝日、Abema TV)。

平成から令和。般若からR-指定
「平成から令和。般若からR-指定。HからRだyo!」←Creepy Nutsのオールナイトニッポン0リスナーからのメール。見つけたリスナーさん、凄い(R-指定「マジでうまい。使わしてもらう」DJ松永「著作権は我々に帰属します」)。
2代目は烈固以外R-指定より年上。収録後「良いんすかラスボス俺で?」とR-指定が呂布に尋ねたところ「担ぎてぇ奴じゃないとラスボスになれねぇだろ」という言葉もあったそうだ(5月7日Creepy Nutsのオールナイトニッポン0)。
番組スタートから3年半ラスボスを務めてきた般若。これまでラスボスと戦った挑戦者は9人(対戦相手は以下のとおり)。
2015.11.24 焚巻
2016.5.17 崇勲
2016.12.6 じょう
2017.3.21 NAIKA MC
2017.7.11 晋平太
2018.2.27 peko
2018.5.1 Lick-G
2018.6.5 MC ニガリa.k.a赤い稲妻
2018.9.25 SIMON JAP
そして今回(2019.5.14)。最後に「ラスボスになる人と戦ってみたい」という般若の希望でR-指定(Creepy Nuts)とのバトルが急遽行われた。平成から令和に変わったこの5月のタイミングで放送。レペゼン(象徴という意味も)の交代……!
リスペクト最多バトル
(以下、勝敗ネタバレあり)
ROUND1、バトルビートは『東京弐拾伍時/東京弐拾伍時』。
中学生の頃に聴いたZeebra『TOKYO'S FINEST』で般若を好きになったというR-指定。「ガキの頃見た俺に伝えてぇ 今お前般若さんとやってるぜ」に般若が「十何年前の俺に問う こんな天才とやってんだって」と返す。
般若のクリティカル。ええっ、まだまだ見ていたい!と誰もが感じたはず、いとうせいこうも「いくらクリティカルでもこれは3本でしょ」と判断し特別ルールでROUND2へ。
ROUND2バトルビートは『Fate/Anarchy』。
「ララバイ聞かせるにはまだ早い 俺だってまだその姿勢見てたい でももうこれが終えりゃアンタはいねぇ だから愛を込めて 般若最低」
R-指定のリスペクトが止まらない。こんどはR-指定のクリティカル。
同点で迎えたROUND3。バトルビートは『I Rep/DABO, ANARCHY & KREVA』。般若が初めてラスボス対決した焚巻とのバトル(ROUND2)でも使用された曲。
よく聞け お前に無いのはタフさ よく聞け 俺には無いのは弱さ
よく聞け 内面そのメンタル お前にラスボスからの伝達」
「俺には無いのは弱さ」は『Dungeon Monsters/MONSTER VISION』のR-指定パート「強くて弱い 弱くて強い」とも呼応している。
般若がR-指定の胸にタッチする。師匠から弟子へ不思議な力を受け継ぐ……って感じの映画のクライマックスに見えたのは私だけか(なんの映画か分からんが)。
KEN THE 390の当日ツイート。
MCバトルがただの罵り合いだと思っている人も、今週の般若 vs R-指定を見ればきっと伝わるものがあると思う。
— KEN THE 390 (@KENTHE390) 2019年5月14日
生身の人間同士が向き合って、この形でしか伝えられない思いをぶつけ合う。最高でした。#フリースタイルダンジョン
MCバトルがただの罵り合いだなんて思っちゃいないが、ROUND1からROUND3まで全バトルがここまで感謝とリスペクトだらけだったことも珍しい。「生身の人間同士」の美しい神回だった。
(イラストと文/まつもとりえこ)