立憲民主党の枝野幸男代表は10日の衆院予算委員会で大阪での深刻な医療崩壊はじめ全国的に高止まりする新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、東京五輪・パラリンピック大会開催に関して「入国規制や国内でどういう行動規制をかけるのかはわが国の国家主権そのもの。国際オリンピック委員会(IOC)の判断や意見に左右されることなく、命と暮らしを守る観点から政府が独立して判断すべきだ」と菅義偉総理に行政トップとしての責任を果たすよう強く求めた。


 また新型コロナウイルス感染症が東日本大震災・原発事故に並ぶ戦後最大の危機との危機感を示したうえで「菅総理自身が先頭に立ち、自らの言葉で強い意志を示していただき、道筋を示すことが危機を乗り切る前提条件。総理に危機感が感じられないなかで『外出しないでください』とお願いしても国民に応じてもらえないのは当たり前」と総理の認識の甘さを問題視し「私たちには十分な覚悟と準備ができている」と訴えた。


 そして枝野氏は「私には経験と教訓がある。総理が覚悟と気概を示されないのであれば、潔く身を引くべきだ」と訴えた。


 五輪開催に関しては、現況と数か月の見通しから「国民の命と健康を守ることとオリンピック・パラリンピックの開催を両立させることは残念ながら不可能と言っていいと言わざるを得ない」と訴え、決断を求めた。


 菅総理はこの日の予算委員会で野党議員らのオリンピックに関する質問に「開催にあたっては選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じ、安心して参加できるようにする。

厳格な行動管理を実施し、ルール違反した場合は大会参加資格をはく奪する。国民の命と健康を守り、安心安全に大会ができるよう全力を尽くすことが私の責務だ」と答弁するのみで、大会開催ありきの姿勢を「安心安全」という空虚な言葉で繰り返すのみ。説得力ある答弁はなかった。(編集担当:森高龍二)