「まるであったかのように印象づけられるのは大変心外だ」


 昨年の自民党総裁選や今年の衆院選で、高市陣営が他候補の「中傷動画」の作成、配信に関与していた疑惑。参院厚生労働委員会(28日)での野党議員の質問に対する高市首相のブチ切れ答弁が波紋を広げている。


 週刊文春は、動画作成に関わったという男性と高市首相の秘書とのやりとりを詳報。中道改革連合の安住淳・前共同幹事長や馬淵澄夫・前衆院議員をネガキャンの「標的」とするよう、秘書が男性に依頼したメッセージなどを報じている。ところが、報道をもとに野党議員が質問しても、高市首相は「ないものはない」と強弁するばかりだった。


「総理は、秘書に直接聞いた内容として『記事にあったようなやりとりは確認できなかった』『記録もない』と主張していますが、文春記事は詳細で生々しい。動画作成に関わったという男性もネット番組で、秘書とオンラインでやりとりしたと証言しています。『記事や証言は捏造か』と野党議員に聞かれても、総理はハッキリ答えない。キチンと内部調査を行ったのか不透明で、野党はまだまだ追及の構えです」(永田町関係者)


 この醜聞を引っ張れば、高市政権へのダメージ拡大は不可避だ。さらに、野党は別の問題にも狙いを定めつつある。日刊ゲンダイが報じた、選挙期間中の「有料広告動画」疑惑である。


 日刊ゲンダイの調べで、2月の衆院選の期間中に自民の8候補が有料のYouTube広告に出演していたことが分かっている。公職選挙法は選挙運動のためのネット広告出稿を禁止。資金力のある陣営ばかりが有利になり、選挙の公平性を揺るがしかねないからだ。


■副大臣、政務官は直接追及が可能


「現在、与野党の選挙運動に関する協議会が、SNS規制を検討しており、27日に公選法改正案などの骨子に合意しました。今国会で成立させ、来春の統一地方選での適用を目指している。違法な広告動画疑惑は改正案に直接関わる問題ですから、野党は今後、国会での追及を模索しています」(官邸事情通)


 有料の広告動画への出演が分かっているのは、鷲尾英一郎(新潟4区)、宮崎政久(沖縄2区)、土井亨(宮城1区)、渡辺勝幸(宮城2区)、西村明宏(宮城3区)、森下千里(宮城4区)、小野寺五典(宮城5区)、丸川珠代(東京7区)の8氏。大方が「広告動画は選挙活動でなく、適法な政党の政治活動の一環」などと説明しているが、本人が名前と選挙区を明記して出演した以上、その言い訳が通じるかは微妙だ。


 8人のうち、宮崎氏は防衛副大臣、森下氏は環境大臣政務官を務めている。政府の立場にあるため野党関係者からは「国会で直接追及することも可能だ」といった声が上がっている。


 中傷動画に続き、違法な広告動画疑惑まで追及の的になれば、高市政権は大打撃必至だ。


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