【写真】愛くるしい笑顔が魅力のパーパー・あいなぷぅ
ーーあいなぷぅさんは、こんなに活躍してらっしゃるのに、「お笑いに興味がない」と公言しています。小さい頃からそうだったんですか?
あいなぷぅ(以下、あいな) たまたまテレビをつけて『エンタの神様』(日本テレビ)がやってたら、じゃあ観るかな、というくらいで。小学校のときは、「家を建てたい」っていうのが夢でした。卒業文集にも、何歳までにこういう計画で建てる、というような作文を書いてましたね。
ーー自分1人で稼いで建てる、という事ですか?
あいな そうですそうです。なんか家とかお城とかが好きで。城が欲しくて最近そういうサイト見たんですけど、けっこう高いんですよ、お城。
ーーそれはそうでしょう(笑)。
あいな フランスとか、ヨーロッパにあるようなお城を建てようとすると、400億円もするんですよ! 日本でのお城も800億円かかるらしくて、高過ぎじゃないですか? ただ、いろいろ調べて2億円くらいで買えるのもあったんです。2億だったら、ワンチャンいけるんじゃないかなって気がしますよね。
ーーワンチャンって(笑)。
あいな はい。中学からは友達の影響でアニメが好きになって。その時流行ってたのが、『涼宮ハルヒの憂鬱』とか、『らき☆すた』とか。それで高校を卒業してから、地元の名古屋の声優の専門学校に行きました。
ーー何を学んでいたんですか?
あいな「あ、え、い、う、え、お、あ、お!」みたいな発声練習から、外郎売(※もとは歌舞伎の演目で、アナウンサーや俳優が暗唱や滑舌を練習するための長台詞)みたいなこと、あとはアニメのアテレコ、ダンスとか。バレエみたいなのや、ジャズダンスでした。まあ、今の声優業界で活躍してる人を見てると、歌やダンスのレッスンがあるのは分かるんですけど……。
ーーあんまり楽しい思い出ではなさそうな言い方ですね(笑)。
あいな やっぱり何がしたいか、っていうと、アニメのアテレコだったんで。今の活躍している声優さんを見たら、歌やダンスのレッスンがあるのは分かる。でも、芝居の舞台までやらされるんですよ! 夏休みをフルで稽古して、めちゃくちゃデカい会場、うちの事務所の先輩で言えば、バカリズムさんの単独ライブくらいデカいじゃん、っていうところを借りて発表会があって。それはすごく嫌でした。
先生も厳しかったし、『別に舞台俳優やりたいわけじゃないし!』って思ってたんで。そういうこともあって、卒業する間際に、「ちょっと違うかな?」って思って。当然ですけど、周りのみんなもめちゃめちゃ声優になりたいんですよ。分母が多すぎるというか。それに気付いちゃって。
ーーその後、お笑いの道に進もうと思ったきっかけがあったんですね
あいな たまたま『ロンドンハーツ』のDVDを観たら、狩野英孝さんの「50TA」の企画があったんです。
ーー狩野さんがアーティストになってCDも出す、という体のドッキリ企画ですね。それで狩野さんを好きになって同じ事務所を目指した?
あいな というより、「この狩野さんみたいな人がいるマセキ芸能社ってどういうところなんだろう?」って。
ーーすみません、あえて言葉を選ばず言いますが(笑)、「ポンコツに見えるこの芸人さんを、ここまで愛されキャラにした会社はどんなところなんだ?」ってことでいいですか?
あいな はい、すごく興味があったんですよね。それで事務所のサイトを見たら、「タレントゼミナール」っていうお笑いのスクールがあって。行ってみようかな、って思ったのが始まりでしたね。
ーー事務所の養成所に通うことになって、上京したんですか?
あいな いえ、そもそも吉本さんみたいなガッツリした学校じゃなくて、1週間に1回、3カ月だけ通うっていうスクールで、あんまりよく分からずに習い事感覚で入って来る人も多いところなんです。
ーー当時はどんなネタをやっていたんですか?
あいな 本当に、全然覚えてないです(笑)。多分コントをやろうとしてたんですけど、「全然コントじゃないよ。ただの物語だからボケを入れないと」「え? ボケってなんですか?」みたいな。もうダメ出しからなにから、本当に何を言ってるか分からなくて。メモして見返しても全く分からないレベル(笑)。困っていたら、同じ期で通っていたほしのディスコさんからLINEで「組んでみませんか?」って連絡が来て。話したこと、なかったんですけど。
ーーそれでパーパー結成に至ったと。
あいな「じゃあお願いします」と。
ーーウケてうれしいっていう気持ちはあるんですよね?
あいな うれしいというよりは、面白いと思ってもらえるならうれしいな、というのに近いかなあ。だから正直、ウケてもスベっても何とも思ってないところはありますね(笑)。
ーーパーパーのネタはすべて、ほしのさんの責任である、と。
あいな 責任というか、ほしのさんの好み。1つも口出してないんで。だからスベっても傷つかないんです。でもネタを書いてくれるから、すごくありがたい存在ではありますよね。KOCに出られたり、今こうやって活動できてるのはほしのさんのおかげですし。
(後編へ続く)