レビュー

課長を飛び越して現場の状況を細かく知りたがる部長、現場社員時代の仕事を手放さず、そのまま握ろうとする管理職。そうした個人の動きだけでなく、人員配置の問題でプレイング・マネジャーにならざるを得ない人もいる。

トッププレイヤーがそのまま昇進していく日本の慣習も根強い。いずれにせよ、職場の人たちがすり減っていき、将来的な希望を持ちづらい状況に陥りやすい。
本書で解説されている「大課長」とは、昇進しても仕事ぶりやマインドが課長のままの管理職を指す。いま、日本中の会社で「大課長」による機能不全が問題になっているという。企業の経営戦略や人事戦略の策定に長年携わってきた著者が、その問題の根本を描いているのが本書だ。
「大課長」には、「今月の数字や成果のことばかりを気にしている」「現場がすべき実務を抱え、各論に口を出している」「現在の延長線上で未来を語っている」といった特徴がある。新しい提案へのリスクを過剰に指摘し、生産性の低下、現場の疲弊を招いているのだ。
しかし一方で本書は、「日本の多くの管理職は、自分に求められる役割を知らないまま、そのポストに就いている」ことも指摘する。組織自体が変わることこそ重要なのである。
こういう会社はしんどそうだ、うちにもこういう「大課長」がいる、と「あるある」を楽しむ気持ちで読むのもいいが、本書の眼目は事態を好転させる希望を具体的に持てるところにある。職場の「診断」をしながら読み進めていただきたい。

本書の要点

・「課長よりも上のポストにあるにもかかわらず、課長と同じような仕事をしている人たち」を「大課長」と呼ぶ。


・「大課長」が生み出す弊害は5つに分類できる。
・「大課長」が生まれるのには、本人の問題と、会社・社会の構造の問題がある。会社の構造を変革していくことで問題を減らしていける。



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