5月14日、呉市音戸町の船の解体現場で大規模火災が発生した。廃船と廃材が燃えたほか、係留している船にも延焼したという。

15日の14時ごろ、取材班が現地を訪れると、いまだに煙が漂い、風向きによっては強い煙の臭いが鼻を突いた。その時点でも消火活動が継続されており、陸と海上から4~5台のホースで放水している状況だった。

「15日時点では、前日から始まった消火活動の影響で、近隣の一部世帯では断水が起きていました。呉市は近隣650人に避難指示を出すほどの惨事となりました。

発生から1日が経過し、火の勢いは弱まったものの、入り組んだ廃材の影響で鎮火には至っていませんでした。16日からは、重機でがれきを掘り出し、奥にあると思われる火種を確認し、消火しています。同日17時には、呉市により火災の鎮圧が発表されました」(社会部記者)

だが、こうした大規模火災も、発生当初は“鳴りを潜めていた”ようだ。火災現場の近隣住民は、当日のことをこう語る。

「発生時には昼食をとっていたのですが、火災には全く気づきませんでした。そこに近所の人が『火事や!』と叫ぶので外に出てみると、大量の煙が立ち込めていて、ボンボンという爆発音がひっきりなしに鳴っていたんです」

この「爆発音」とは、ボンベが破裂する音だと思われる。実際、事故現場付近には、ボンベの燃えカスがあった。

この近隣住民は、火災発生時の写真を提供してくれたが、写っていたのは、大量の煙が町を飲みこむように広がる様子、そして、事故現場から100mほど離れた小学校の校庭に落ちたボンベの残骸だった。

火災の猛烈な勢いが感じられるが、一方、煙の影響もすさまじい。

「火災発生時は山の方にいましたが、近所の人から火事の知らせを聞いて、慌てて戻ってきました。もうとにかく大量の煙が充満していて、風によって西へ東へ、不安定に流れていましたね。今でも、家の中に煙の臭いが立ち込めていますよ」(別の近隣住民)

現場から10kmほど離れた呉駅付近にも煙が運ばれてきたという。駅前のレンタカー店の店員は、「昨日の夕方は雨が降ったのですが、最初は雨雲が来たのかと思いました。離れた場所の煙だと知って驚きましたよ」と振り返った。

多くの人を巻き込んだ事態となった今回の火災。すでに避難指示も解除されているが、町の復旧が急がれる。

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