犬と飼い主の間に感情的な絆。心拍数の変動がシンクロしていることが判明
Photo by:iStock

犬と飼い主の間に感情的な絆。心拍数の変動がシンクロしているこ...の画像はこちら >>

 お互いに同じ気持ちを共有していることは、感情的な結びつきを深める。

 人間の親子の間で感情が同期(シンクロ)すると、お互いの結びつきが深まっていく。

この相互作用は、人間同士のみならず、犬と飼い主の間にも育まれている。

 犬が飼い主に深い愛情を示すことはよく知られているが、新たな研究によると、愛犬と一緒に過ごす飼い主の心臓の鼓動の変動がシンクロ(同期)することが明らかになった。

 つまり人間の親子の絆を支えるのと同じメカニズムが、犬と飼い主との間にもあり、感情的な絆を持っているということだ。

心拍数の変動は感情と関係している

 「心拍変動」、つまり心臓がドクンドクンと脈打つ長さのゆらぎは、自律神経系の状態を表している。

 心拍変動が高ければ、その人はリラックスしているだろうことがうかがえる。

 それとは反対に心拍変動が低ければ、何かストレスを受けていたり、運動による刺激や緊張があるだろうことがわかる。

 つまり心や感情の状態を告げる指標と考えることができるのだ。

[画像を見る]

犬と飼い主の心拍変動と活動レベルは同期していた

 今回、フィンランド、ユヴァスキュラ大学の研究チームは、犬とその飼い主の絆を支える生理的メカニズムを知るために、両者の心拍変動とその時の行動を観察してみた。

 その結果、犬と飼い主の心拍変動と活動レベルは互いに同期していることが判明したのだ。

 たとえば、ゆっくりと休んでいる間は、飼い主と犬の心拍変動が高くなった。

 つまり飼い主がリラックスしているとき、犬もリラックスしていたということだ。また遊びのような作業を行なっているときも、飼い主と犬の活動レベルはほぼ同じだった。

 だがより重要なのは、心拍変動のシンクロと活動レベルのシンクロは、必ずしも同じタイミングで起きていなかったことだ。

 体を動かして何か活動すれば、それによって心拍が左右されるのは当然だ。

 だが、それが同時に起きていないということは、飼い主と犬の心拍変動のシンクロは単純に活動レベルを反映しているのではなく、両者の感情状態がシンクロしているだろうことを告げている。

 「休憩中に犬と飼い主の心拍変動がシンクロしていたのは、やるべき作業がなかったからとも言えるでしょうが、両者がお互いの状態により自然に反応していたからとも説明できるでしょう」(ユヴァスキュラ大学 アイヤ・コスケラ氏)

 それを示唆する発見はほかにもある。

 たとえば飼い主が心配性なケースでは、飼い主と犬の心拍変動が高くなりがちだった。

 心配性な飼い主は犬と強い感情的な絆を育む傾向がある。そのため犬が飼い主と一緒にいるとき、より大きな安心を感じていたのかもしれない。

[画像を見る]

飼い主と犬の感情的な絆は人間同士と同じメカニズム

 この研究で最も驚くべことは、飼い主の心拍変動を一番上手く説明できたのが、犬の心拍変動だったということだ。

 これは、飼い主の活動レベルや体格など、心拍変動に影響するほかの要因を考慮してもなおそうだった。

 こうしたことから言えるのは、飼い主と犬の感情状態ならびに彼らの神経系が、お互いにシンクロし合おうとすることだ。

 つまり人間同士の心の絆を育んでくれるのと同じメカニズムが、犬と飼い主との関係を支えているだろうということだ。

 研究チームは今後、そのメカニズムについて、より詳しく解明していく予定であるそうだ。

 この研究は『Scientific Reports[https://www.nature.com/articles/s41598-024-76831-x]』(2024年10月24日付)に掲載された。

追記:(2024/11 /12)本文を一部訂正しました。

References: An emotional connection: Study finds heart rate variability syncs between dogs and owners[https://medicalxpress.com/news/2024-11-emotional-heart-variability-syncs-dogs.html]

編集部おすすめ