6月11日に開幕を迎える2026年のFIFAワールドカップ。大会では26名までのメンバーを登録することができるが、人数が限られている影響で「複数ポジションをこなせる選手」は戦術的にもコンディション的にも非常に重要な存在となる。
今回は日本代表の中から「複数ポジションをこなせる二刀流、三刀流選手」を5名ピックアップした。
板倉滉
こなせるポジション:ボランチ、センターバック
板倉滉は、日本代表にとって戦術的な「保険」となってくれる貴重な存在だ。本職はセンターバックだが、守備的ミッドフィルダーとしても起用可能。また、3バックと4バックを頻繁に使い分けたい場合になっても極めて重要だ。
188cmの長身を誇り、空中戦の強さと対人守備での冷静さを兼ね備えるが、中盤までポジションを上げ、プレッシャーを受けながらもボールを引き出し、前線のテクニカルな選手たちへパスを繋ぐことができる。
ドイツでの活躍を経て現在はアヤックスに所属する彼は、能動的なシステムにも難なく適応できることでそのキャリアを築いてきた。森保監督にとっても、彼は単なるストッパー以上の存在になるだろう。
瀬古歩夢
こなせるポジション:ボランチ、センターバック
ル・アーヴルでの経験により、センターバックと守備的ミッドフィルダーの両方で高いレベルのプレーを見せられるようになった瀬古歩夢。個々の能力だけでなくチーム全体のバランスが重視される日本代表。ヨーロッパで見せた彼の成長は、グループの新たな武器になるはずだ。
3バックのセンターバックはもちろん、リードを守りたい場面では一列前に出て中盤を固めることも可能。また、ボランチの人数が限られている状況、遠藤航のコンディションが不安であることを考えれば、チームの再編を余儀なくされた際にも有力な選択肢となる。
欧州での経験により、フィジカル重視の相手や縦に速い攻撃への対応力も磨かれた。交代枠を無駄に消費することなく、ピッチ内での構造変更を可能にする。
冨安健洋
こなせるポジション:両サイドバック、センターバック、ボランチ
この日本代表において、究極のマルチロール・ディフェンダーと言えるのが冨安健洋だ。コンディションさえ万全であれば、右サイドバック、左サイドバック、4バックのセンターバック、そして3バックまで全てを高水準でこなす。
度重なる怪我に悩まされながらも森保監督が信頼を寄せ続ける理由は、まさにその柔軟性にあるはずだ。負傷の影響で代表から2年近く遠ざかっていたものの、今回のワールドカップメンバーに復帰。短時間しか起用できなくとも、クローザー役として十分にプランニングできる。
単なる器用な選手ではなく、チーム全体のバランスを一変させる力を持っている。守備的なサイドバックが必要なら安定感をもたらす。パワープレーへの対応にも長ける。ハイプレスを仕掛けるなら、彼の1対1の強さも活かせる。懸念はフィットネスのみであり、戦術的な価値は計り知れない。
伊藤洋輝
こなせるポジション:両サイドバック、センターバック、ウイングバック
伊藤洋輝は、日本が擁する左利きのディフェンダーとして最も重要な一人だ。バイエルン・ミュンヘンでもセンターバック、左サイドバック、そしてミッドフィルダーをこなせる選手と評されており、クラブと代表の両方で重宝される理由もそこにあるはずだ。
大型で正確なパスレンジを持ち、ブンデスリーガでの経験も豊富、しかも希少なレフティ。3バックであれば左のストッパーとしてビルドアップを供給し、4バックなら中央でも、より守備的なサイドバックとしても機能する。
相手が激しくプレスをかけてくる場面でも、深い位置から攻撃を組み立てる助けとなるはずだ。出場停止や怪我で状況が一変する短期決戦において、3つの役割をこなせる伊藤の存在は決定的なものになる可能性がある。
前田大然
(C)Getty Images
こなせるポジション:ストライカー、シャドーストライカー、ウイングバック
前田大然は異例なタイプの多才なプレーヤーだ。圧倒的な走力を武器に前線のあらゆる場所をこなし、さらには必要に応じてウイングバックとしても機能する。
セルティックではFWとして登録されているが、日本代表においてはサイドやウイングバックとしての起用が多い。前線で起用される場合は、その圧倒的なプレッシング能力を生かしてのものになるはずだ。
90分間にわたって守備、プレス、そして高強度のスプリントを繰り返せる。センターフォワードとしてプレスの先陣を切り、ある時は左サイドでピッチを広く使い、リードを守る場面では自陣深くまで戻ってサイドを固める。
三笘薫を怪我で欠く今回の布陣において、左サイドを広範囲にカバーできる前田の能力はさらに重要度を増す。彼は単なる攻撃の駒ではなく、攻守両面で機能する強力な切り札になるはずだ。
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※選出基準は、各選手の実績に基づきながら筆者またはメディアの主観的判断も含んでおります。
筆者:石井彰(編集部)

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