中東で長引く戦火にもかかわらず、中国貿易は「底堅さ」を見せている、と中国メディアが伝えた。市場の多角化や輸入の伸び、輸出の新たな原動力が強いことが支えているためだ。

税関当局者は「中国経済が長期的に好転する条件と基本的な流れは変わっていない」と強調した。

中国通信社(CNS)によると、世界貿易機関(WTO)は最近、世界の貨物貿易の成長見通しを大幅に下方修正した。WTOのチーフエコノミスト、ロバート・スタイガー氏は2026年を通じて原油価格の上昇が続けば、世界の貨物貿易の伸び率は1.9%から1.4%前後に低下する可能性があると分析している。サービス貿易の伸び率も基準予測の4.8%から4.1%に下がる可能性がある。

こうした状況の中で、中国の今年第1四半期(1~3月)の貿易実績は意外なほど好調だった。税関統計によると、第1四半期の中国のモノの輸出入総額は11兆8400億元(約276兆4983億円)に達し、前年同期比15%増となった。税関総署の王軍副署長は、第1四半期の輸出入が11兆元(約256兆8819億円)を超えたのは過去同期で初めてで、四半期ベースの伸び率としても過去5年で最高だったと説明した。

CNSは「中東向けの取引が減ったのに、なぜ中国は過去最高を更新できたのか。答えは『底堅さ』だ」と報道。「この底堅さは三つの重要な柱の上に成り立っている」とした。

第一は市場の多角化が進んでいることだ。第1四半期、中国主導のシルクロード経済圏構想「一帯一路」共同建設国との輸出入は6兆600億元(約141兆5185億円)で、14.2%増だった。

東南アジア諸国連合ASEAN)や中南米向けもともに15.4%増、アフリカ向けは23.7%増、欧州連合(EU)向けと英国向けもそれぞれ14.6%、13.1%増となった。

特に輸入先を見ると、第1四半期には150以上の国・地域からの輸入が増加した。つまり、買い手の顔触れは変わっても、取引先そのものが途切れたわけではない。市場の多角化は大きな網のようなもので、中東という一角に穴が開いても、ほかの地域がその網を支えた形だ。

第二は輸入の伸びが目立っていることだ。税関統計によると、第1四半期の中国の輸入は2割近く増え、輸出の伸びを7.7ポイント上回った。輸入規模も過去同期で最高を記録した。その背景には工業生産の力強い拡大があり、各国が「中国のチャンス」をより多く取り込めるようになっている。

第三は輸出の新たな原動力が強いことだ。中国の商品は、もはや安価な小物雑貨が主役ではない。高付加価値の製品が中心となっており、そうした商品ほど外部環境の荒波にも強い。第1四半期には記憶装置部品や中央処理装置(CPU)などの輸出が合わせて39.1%増加した。

発電設備、送変電機器、蓄電設備など電力関連製品の輸出も2桁の伸びを記録した。

王軍氏は「複雑で厳しい外部環境に直面しても、私たちの自信は揺らがない」と指摘。「対外貿易の優位性と潜在力も引き続き明らかになっている」と言及した。(編集/日向)

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