ニッポンハムグループのトップに前田文男副社長が4月1日付で就任した。社員に対しては同社の「他社に真似できない唯一無二の強み」を説き、創業者大社義規氏の「やろうと思えばできないことはない」の言葉と思いを伝え、今期テーマに「全員で挑戦しよう」を掲げた。
その強みで「攻めの経営」を推進し、既存事業の底上げと新領域への進出で、さらなる成長を見据える。

 前田社長は入社以来、(以前は比較的事業部間の異動が少なかった同社の中で)加工事業、食肉事業、出向では外食産業など様々な関係会社を経験してきた。「その時の経験が大きく生きている。複数の引き出しを持っていることは、様々なことに対応できる可能性がある」と自身を分析する。世界情勢・市場環境がさらに厳しくなっている今、新規チャレンジ推進の一方、「(様々な場合を想定した)ダメージは測れる人間でありたい」と語る。

 前田社長が示す同社の唯一無二の強みは3つ。まずは加工事業が「シャウエッセン」をはじめとした複数の有力ブランドを有していること。2つ目は生産から販売まで自社で一貫して商品が生み出せる強固なバリューチェーンを築いている「食肉事業」。そしてボールパークを中心としたスポーツ・エンターテインメント事業だ。

 厳しい環境下を踏まえて従業員に語ったことは「この他社に真似できない唯一無二の強みを持つ当社が、競争に負けることがあってはならない。みんなで逆境を打ち返す」と鼓舞し、この強みを生かす7つの具体的方針を示した。

 一つ目は、加工事業のトップライン拡大。
加工事業は価格改定等もあり厳しい環境が続いている。現中計での構造改革で収益性は上がったが、販売数減で「効率性を非常に落としている」とし、このカバーのためにも「強い営業力を持ってトップライン拡大を図っていく」。2つ目は海外事業で、買収した海外企業の立ち上げが遅れたことで、今期はまずは収支を戻し、それから成長路線に乗せていく。

 3つ目は今期から事業部としたスポーツ・エンターテインメント事業の拡大・最大化を図る。「北海道ボールパークFビレッジ」の前シーズンは過去最高の来場者数となり、さらに28年には新駅ができるなど、「お客様に楽しんでいただく新たな仕掛け」などを実践していく。

 4つ目はプロテインを核とした研究開発のR&D戦略「Proteinnovation(プロテイノベーション)」で、現在の食領域を足掛かりにヘルスケア分野などの新領域に進出し、新たな収益源として発現させていく。

 5つ目は、継続する構造改革。従業員には分かりやすく収益性と効率性を意識することを伝え、結果として稼ぐ力を高めていく。6つ目は事業ポートフォリオの最適化。7つ目は風土改革。その根幹には人がある。「人財は当社のオリジナリティ」とし、次のステージに向かうには「人財強化が絶対に必要」と強調。


 挑戦する風土を醸成し、その人財を強化することが、攻める経営、攻める構造改革につながっていく。こういった会社を作ることが「未来永劫の強みになる」と将来も見据える。大阪府出身、60歳。

ソース
編集部おすすめ