今夏の静岡県大会で8強入りした伝統校・静岡商の山本敢生(かんう)投手(3年)がプロ志望届を提出した。1日に日本高野連のホームページで公示された。
県大会では15回を投げ6失点(自責3)で、防御率は1・80と思うようなアピールができなったが、強い覚悟を持っていた。今後はNPB球団が実施する新人テストを受験する予定で、10月5日の巨人のテストに応募を済ませている。また、地元のファーム球団くふうハヤテや独立リーグ球団のトライアウトも視野に入れており、プロ入りへ強いこだわりを見せた。
184センチの恵まれた体格を持つ山本は、1年夏に公式戦デビュー。秋には背番号1を託される存在となった。2年春、夏はエースの座を譲ったものの、秋から再びエースナンバーをつけた。2年春から今夏まで5季連続で県大会8強進出に貢献した。
右のスリークォーターからカーブ、チェンジアップ、スライダーをはじめとした6種類の変化球を操る技巧派だ。メジャーで活躍するパドレスのダルビッシュ有投手を手本にしている。昨秋の時点で「大会ごとに新しい球種を習得する」と意気込んでいた。
昨オフからは静岡商、早大、ヤマハで活躍した「ほほ笑み王子」こと大野健介氏から学んだメディシンボールを使ったトレーニング方法を導入。その成果もあり、球速が秋までの137キロから、この夏には141キロまでアップした。
曲田雄三監督は「こだわりを持ち、課題に真摯に向き合える選手。試合中でもすぐに肩が作れる器用さがあるし、後輩にも優しく教えることができる子です」と教え子の人柄と成長を高く評価していた。夢をつかむため、山本は前だけを見ている。(伊藤 明日香)
◆山本 敢生(やまもと・かんう)2007年11月19日、静岡県駿東郡清水町生まれ。17歳。町立清水小1年から清水町ドリームキッドで野球を始め、小6年から投手挑戦。町立清水中では駿東ボーイズでプレー。184センチ、80キロ。