51歳とは思えない打球が右翼席へと放たれた。「マジか!」。
「女子のひたむきなプレー、謙虚さを見て変わった。いずれ野球ができなくなる日が来るけど、それができるだけ先でありたい。こんなふうにおじさんたちを教育してくれる人たちはいないよ」
全国60チームを超える高校からこの場に選ばれ、プレーできるのはたった20人。悔しい思いを抱えながら、現地観戦した選手もいるはずだ。記者も高校時代は女子硬式野球部でプレーした。少なからず、その子たちの気持ちが分かるが、イチロー氏の言葉を聞いて、野球をやってきて良かったと、スーパースターの考え方も変えるほどの力が女子野球にはあるんだと、心が救われた。
思い返せば、イチロー氏に救われたのは2度目だった。スポーツ報知の1次面接が行われた2019年3月23日。
◆森脇 瑠香(もりわき・るか) 2020年入社。YouTube「やってみるかチャンネル」を配信。