「ラグザス presents 第32回 WBSC U-18 野球ワールドカップ」が5日、沖縄で開幕した。小倉全由監督(68)率いる高校日本代表は18時半からイタリアとの初戦に臨み、149キロ右腕・森下翔太(創成館3年)が先発。

身長170センチの“小さな巨人”が開幕投手を務める。

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 急造チームをいかに一つの戦う集団へとまとめ上げるか。開幕を前にした4日のこと。キャプテンを務める阿部葉太外野手(横浜3年)は「全員野球」への強い思いを明かした。

 「試合に出る、出ないがあると思うので、そこだけは気持ちを一人ひとり切らさずに。『絶対に勝つ』という思いだけはチーム全員で持って戦いたい」

 精鋭20人はいずれもスタープレーヤー。地元じゃ負け知らずだ。だが日本代表でスタメンオーダーに名を連ねるのは10人のみ。7回制だけに、試合に出られない選手もいるだろう。

 そんな男たちが少しでもふて腐れた態度を示したら? 不満や愚痴を口にしたら?

 マイナスの空気は一瞬にしてチーム内に伝播する。試合に出ている選手も、そうでない選手も、最後まで思いを一つに戦えるかどうかが、大きなカギを握る。

 阿部はこう結んだ。

 「本当に明るく仲のいいチームだなと思う。後は試合展開で、ビハインドの場面や勝っている場面、様々な場面があると思うんですけど、そういったところでも変わらずに今のような明るい雰囲気で試合をしたい。全員、チームの主力だった選手が集まってきているので、試合に出る・出ないがあって、選手の気持ちの浮き沈みにもあると思うんですけど、そこだけは全員、切り替えてもらって、全員が準備をしていけたらなと思います」

 大会中は、世界一を目指す若武者たちの表情にも注目したい。ガンバレ、日本!(加藤 弘士)

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