◆JERAセ・リーグ 阪神4―1広島(6日・甲子園

 阪神・門別の右打者の内角への直球は抜群だった。球威だけでなく、とても打ちにくい角度だ。

だが、勝負できる球はそれだけ。序盤から変化球の多さが目立った。もったいない配球にも感じられるが、捕手の坂本は他の球を探していたはずだ。「クロスファイアー」一辺倒で押し切れるほど甘くはない。直球を生かす球が必要だが、どの球も決まらなかった。明らかに腕の振りが緩むことで打者に印象を残すこともなく、“見せ球”にもならなかった。調子は悪かったのだろうが、課題を克服してもらいたい。

 また、阪神の先発は層が厚い一方、村上と才木以外の投手の序列は難しいところだ。リリーフにも同じ事が言える。門別からハートウィグ―ドリス―畠とつないだように、今後もあらゆる投手起用を行って競わせるだろう。もうリーグ優勝は間違いなく、その後の短期決戦に迷いは禁物。投手陣の力を見極め、戦い方を決めることは1か月間の大きな仕事になる。

(スポーツ報知評論家)

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