◆米大リーグ オリオールズ―ドジャース(6日、米メリーランド州ボルティモア=オリオールパーク)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が6日(日本時間7日午前8時5分開始予定)、敵地・オリオールズ戦のスタメンに「1番・指名打者」で名を連ねた。ド軍は4連敗中だが、先発のマウンドには12勝目を狙う山本由伸投手(27)が上がる。

 元西武で、オリオールズの左腕ディートリッチ・エンス投手(34)は、前日5日(同6日)に大谷と初対戦し、渾身の『遊ゴロ併殺斬り』を振り返った。

 「ゲッツーを狙った訳じゃない。昨日は結構球が荒れていて、四球も出していたので、あの場面では1球1球しっかりストライクを投げきることを心掛けた。でも、結果はたった1球で終わってしまったね。彼に対して、甘いところに投げたら、痛い目にあうことは分かっていたので、直球を外角に狙った。すごくいい当たりだったけれど、幸い飛んだコースが良かった。際どいところだったね」

 出番は突然やってきた。先発のクレマーが3回を投げきり、右前腕に違和感を訴えて負傷降板。急きょブルペンで肩を作った。4回は内野安打と2四球で2死満塁とされたが、ラッシングから三振を奪った。イニングまたぎとなった5回無死一塁で迎えた大谷との対戦では、初球94・6マイル(約152・2キロ)の直球で遊ゴロ併殺に打ち取った。打球は同試合の全打者の最速となる打球速度110・9マイル(約178・5キロ)という鋭い当たりだったが打球は上がらず、遊撃手の正面へ。

2回0/3を投げて、6回先頭のフリーマンに同点ソロなど2安打1失点だった。

 2022年から西武で2年間プレー。オリックス戦で吉田正尚外野手と対戦し「ホームランを打たれた」という記憶は今も鮮明だ。韓国球界を経てメジャーに復帰。今季はタイガースに所属し、7月のトレード期限でオリオールズに移籍した。「昨日は、集中していたから、特別に大谷を意識していた訳ではない。でも、一夜明けて、クールな瞬間だったなと気がついたよ。日本にいる時、テレビのCMではいつでも大谷が出ていたし、街に出てもビルボード見上げれば、常に大谷を見ることができた。彼がスーパースターだということはよく理解できた。だから、こうやってメジャーに戻って彼と対戦できたのは、特別なことだよね。ワールドシリーズ王者の打線を相手に投げられたことも、とても嬉しいこと」

 米国でも屈指の蒸し暑い夏になるボルティモアだが、「西武の球場(ベルーナドーム)も暑かったから大丈夫」と笑う。NPBでの経験を肥やしに復帰したメジャーの舞台で、”胸アツ”の対決に充実感が滲んだ。

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