◆第96回都市対抗野球大会▽準々決勝 ヤマハ5―4SUBARU(6日・東京ドーム)
7年連続46度目出場のヤマハ(浜松市)は準々決勝でSUBARU(太田市)を5―4で下し、準優勝した23年以来2年ぶりの準決勝進出を決めた。5―0で迎えた9回、先発のエース左腕・佐藤廉(26)がまさかの4失点。
最後の打者をチェンジアップで三振に仕留めると、佐藤廉は初めて安堵(あんど)の表情を浮かべた。「何がなんでも抑えようと思った。どこかで(ピンチが来る)とは思ったが、まさか9回に来るとは」。完封を目指した最終回、先頭打者に内野安打で出塁を許すと、1死から4者連続安打を浴び4失点。しかし、チームの信頼は揺らがなかった。「お前に任せたから」と交代させないことを告げた九谷青孝投手コーチ(35)は野手に「佐藤を信じろ」と声を掛けた。
昨年の都市対抗1回戦の明治安田戦。投手5人を投入しても1―11で8回コールド負けし「投手一人一人が完投する力をつけること」がチームの総意となった。だから控え投手たちは出番が来ない日もあることを理解している。「みんな、優勝するつもりで来ていますから」。148球を投じたエースは疲れた顔を見せなかった。