09年の天皇賞・春を制したマイネルキッツは、23年6月から北海道浦河町にある「うらかわ優駿ビレッジAERU」で功労馬として余生を過ごしている。G1馬の引退後を取材した。
現在はマイネルキッツのほか、ナカヤマフェスタ(10年の宝塚記念制覇、凱旋門賞2着馬)、スズカフェニックス(07年高松宮記念V)、オウケンブルースリ(08年菊花賞V)の4頭の功労馬がけい養されている「うらかわ優駿ビレッジAERU」。2023年11月16日の同施設のインスタグラムの投稿では、ナカヤマフェスタとマイネルキッツが「【新コンビ爆誕】」「前から2頭は相性悪くなさそうと思っていたのでいつか実現したいなと思っていました」と、同じ放牧地で過ごすことになったと投稿されていた。
しかし、今年の8月に現地で取材した際にはマイネルキッツは1頭で過ごしていた。同施設の乗馬課スタッフの古山侑奈さんによれば「フェスタが仲良くしようと鼻を突き合わせたりしても、キッツはグイグイこられるのは好きじゃないみたいでした。フェスタがふられ続けてかわいそうだったので、結局は別々の放牧地にしましたが、一頭でも何も気にしなくて大丈夫な子です」とのこと。一緒にいたのは、たったの2か月間くらいだそうだ。
マイネルキッツの性格については「穏やかで慎重な性格で日々落ち着いて過ごしています」。特別、仲のいい馬はいないそうだが、「不思議と年上の牝馬に惹かれるよう」とのこと。馬も人と同じく、性格や好きな環境はさまざま。個性を尊重してくれる場所で落ち着いて過ごす現在。栗毛の丸々とした馬体からも、幸せそうな雰囲気が伝わってきた。