◆UI銀行カップ 令和7年度 日本少年野球 東日本報知オールスター戦 ▽準決勝 東北中央選抜6x―5栃木選抜 ▽決勝 東北中央選抜3―2千葉選抜(8月31日・高崎市城南野球場)
支部選抜の対抗戦・UI銀行カップ東日本報知オールスター戦が8月30、31日に群馬で行われ、東北中央選抜が優勝した。昨年、敗れた栃木選抜に同じ準決勝で対戦し、リベンジ。
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最後の打者を併殺に仕留めたことを確認して、マウンドの木村が右手を突き上げる。仲間が次々に駆け寄り歓喜の輪ができた。2年ぶりのV奪回に笑顔の花が咲いた。
接戦を制した。4回まで1安打に抑えられていたが、1点を追う5回1死から中川が右中間へ運び、頭から三塁へ飛び込む。8月に入り不振だった男の意地の一打が反撃ののろしだった。鈴木の右前適時打で同点に追い付くと、6回にドラマがあった。
1死から西舘主将が中前安打。竹本が四球で歩き、一、二塁。後藤の三ゴロで万事休すかと思われたが、後藤が全力疾走で併殺を免れると、二塁走者・西舘がノンストップで生還。
西舘は言う。「(生還は)無理だと思ったけど、三塁コーチャーの藤森が回していたので迷わず行った」と陰の立役者をたたえた。藤森はブルペン捕手を務めた佐藤蓮と2人、試合出場がなかった選手だ。橋本一成監督(55=宮城中央)は「全員出せなかったのは申し訳なかったが、試合に出ていない選手が仲間のために献身的にやっていた。本当に23人全員でつかんだ優勝です」とナインを称えた。
投げては木村が2失点で完投勝利。最速137キロ右腕も左股関節を痛め、選手権大会ではベンチ入りを外れた。本調子ではなかったが「1番を着けさせてもらっているので、行けるところまで行こうと」。球速にこだわらず、スライダーなどすべての球種を使って抑え込んだ。まさにチーム一丸。真夏の祭典の主役は東北中央ナインだった。
【表彰選手】
最優秀選手賞 関本善太朗(東北中央)
敢 闘 賞 吉崎 将十(千葉)
◇東北中央選抜の戦績
▽1回戦(8月30日・上毛新聞敷島球場)
東北中央選抜 500 300 0―8
群馬・長野選抜 004 000 0―4
【東】松林、齋藤、岩崎、加藤―西舘
【群】高林、市川、吉田―遠藤
[三]坂本(群)[二]佐藤、後藤2、関本(以上東)
☆初回無死二塁から佐藤海の適時二塁打で先制。1死二、三塁から後藤の左中間二塁打、関本の右越え二塁打などで5点を先行。4回には西舘、竹本の連続タイムリーなどで加点。後藤は4打数3安打の活躍。
▽準々決勝(8月30日・上毛新聞敷島球場)
茨城選抜 000 00 ―0
東北中央選抜 311 11X―7
(5回コールド)
【茨】坂本、小嶋、菅谷―菊地、秋本
【東】中村、木村―菊田
[三]関本、阿部琥(以上東)
[二]後藤(東)
☆初回、先頭の阿部琥の右前安打から2死一、三塁の好機に5番・後藤の右中間2点二塁打、関本の左中間三塁打で3点を先制。2回の阿部琥の適時三塁打など小刻みに加点。5回1死二、三塁から遠藤の投手強襲安打でコールド決着。
▽準決勝(8月31日・高崎市城南野球場)
栃木選抜 030 000 2 ―5
東北中央選抜 300 010 2X―6
【栃】佐藤、田上、本嶋、鈴木颯、岩田、古口―鈴木逸、岡村
【東】中村、宮崎―菊田
[三]田谷(栃)
[二]石川(栃木)阿部琥、佐藤海(以上東)
☆1点リードの7回2死から3連打を浴び逆転を許すも、その裏、佐藤海の二塁打をきっかけに2死一、三塁で関本の遊ゴロが失策を誘い同点。四栗が右翼線に運びサヨナラ勝ち。先発・中村は5回7奪三振の力投。
▽決勝(8月31日・高崎市城南野球場)
東北中央選抜 000 012 0―3
千葉選抜 100 001 0―2
【東北中央選抜・登録メンバー】★は主将、全員3年生
★西舘稟翔(宮城仙北)
竹本寛大(仙台泉)
木村陽斗(宮城仙北)
菊田球成(仙台育英学園秀光)
千葉凜(宮城栗原)
四栗凰雅(宮城仙南)
後藤日晴(仙台)
鈴木爵麿(宮城仙北)
佐藤海年(宮城仙南)
阿部琥羽(宮城仙北)
中川隼汰(宮城仙南)
松林宗佑(盛岡)
佐藤蓮隼(釜石)
遠藤大河(宮城仙南)
関本善太朗(盛岡)
阿部陸(仙台中部)
杉崎斗俄(仙台育英学園秀光)
宮崎颯琉(仙台泉)
中村太樹(仙台育英学園秀光)
岩崎琉生(宮城仙北)
加藤誠絆斗(仙台)
齋藤匠(宮城仙北)
藤森朗(宮城中央)