◆米大リーグ ドジャース3―1ロッキーズ(8日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)
ドジャース・大谷翔平投手(31)が8日(日本時間9日)の本拠地・ロッキーズ戦に「1番・DH」で出場し、6回に四球で同点打を、7回には打球速度114・3マイル(約183・9キロ)の二塁打で決勝点を演出した。あわや“ノーヒットワンラン”負けという珍事を阻止し、ド軍は今季80勝に到達。
火を噴くような当たりが号砲だった。1―1の7回2死一塁。大谷は右腕チビイの内角チェンジアップを振り抜いた。打球速度114・3マイル。右中間寄りにシフトしていた右翼手が何とか食い止めたが、ゴロのまま右翼フェンスに到達する寸前だった。3試合連続安打となる“爆速”二塁打。2番ベッツの決勝2点打をお膳立てした。
2位パドレスが勝利し、負ければ再び同率首位で並ばれていた。先発のグラスノーは背中の張りで5日(同6日)の先発を回避。当日は大谷が緊急登板で穴を埋め、イケメン右腕はこの日が9日ぶりの登板だった。2回に四球から犠飛と無安打で先取点を奪われ、5回終了時点で0―1。
同点の機会をつくり出したのも大谷だった。1点を追う6回無死一塁で自己最多となる97四球目を選び、3死球と合わせて4年ぶり2度目のシーズン100四死球に到達。フリーマンの同点二塁打を演出した。7回まで無安打で投げ切り、14戦ぶりの2勝目を挙げたグラスノーは「打線がつないでくれて勝つことができた。最高だった」と大谷らに感謝。自身の代役で男気登板してくれた姿だけでなく、打者としても頼もしく見えただろう。
チームは9回にスコットが安打を許し、ノーヒットのまま勝つことはならなかったが、ロバーツ監督は「私たちのチームは先発陣を中心に構築されている。彼らがゼロを積み重ねていけば打線にチャンスを与えられる」と目を細めた。普段から「長打、もしくは出塁することが仕事」と話す大谷にとって、会心の仕事で単独首位をキープ。今年もワンチームで頂点をつかみ取る。(中村 晃大)
〇…大谷に“強制”で走塁練習が課された。
◆大谷の男気登板の経緯 体調不良で3日(同4日)に登板回避した大谷は当初、8日(同9日)のロッキーズ戦先発が発表されていたが、5日(同6日)の午後にオリオールズ戦に先発予定のグラスノーが背中の張りで登板回避。試合開始5時間ほど前の現地午後2時頃に大谷に登板の打診があり、快諾した。3回2/3を3安打無失点5奪三振。直球は最速101・5マイル(約163・3キロ)。平均99・7マイル(約160・5キロ)は今季最速と熱投した。