◆高校野球秋季静岡県大会▽3回戦 掛川西17―9掛川東=延長11回タイブレーク=(23日・草薙球場)

 昨夏甲子園出場校の掛川西が、掛川東を延長11回タイブレークの末に17―9で下した。先発した右腕エース・古岡都暉(とき)投手(2年)が3-3で迎えた11回、相手の適時失策を誘い一挙14得点の猛攻の口火を切った。

投げては10回3失点の力投でチームを支えた。

 雄叫びが球場に響いた。延長11回無死満塁の好機、古岡が放った打球は相手遊撃手の適時失策を誘い、勝ち越し点を奪った。ここから打線がつながり、14得点の猛攻で突き放した。「目の前の勝利に全てを捧げる、一戦一勝という気持ちで打席に立ちました。疲れは関係ない、と気持ち的に吹っ切れていました。チームにいい流れを持って来られてよかったです」と声を弾ませた。

 1998年夏に決勝で松坂大輔と投げ合い、甲子園準優勝を果たした京都成章の左腕エース・基紀さんを父に持つ。新チームではエースを任されている右腕は10回を投げ、13安打を浴びながらも7奪三振、149球の力投。意地を見せた。

 3-3で迎えた延長10回は、味方打線が無得点。1失点も許されないマウンド上で、相手バントの構えに対し「変化球でカウントを取りに行くと、簡単に決められてしまう」と内角直球で押し続け、得点を許さなかった。

 「新チームが始まってから楽な試合、楽な場面がなくて常に苦しい状況での投球でした。体は疲れていましたが、気持ちでいくしかない。最後まで気持ちで投げ切れたのが、一番よかったです」と胸を張った。県予選初戦から県大会初戦・東海大静岡翔洋戦(2〇1)までの3試合でも接戦が続いたことで、ほぼ一人で投げ抜いてきた。

 27日の準々決勝・沼津東戦に向けては、「ここまで勝ち上がってきているので、当然力もあると思います。そういう時こそ、みんなで1個のアウトを取るという気持ちでいたいです」と意気込んだ。(伊藤 明日香)

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