◆パ・リーグ オリックス2―0楽天(27日・京セラドーム大阪)
オリックス・山下舜平大投手(23)が7回3安打無失点、11奪三振で今季初勝利を挙げた。昨年9月4日の西武戦(ほっと神戸)以来、388日ぶりの白星。
オリックス・山下は388日ぶりの白星をつかむと、さらに視線を上げた。「時間はかかったけど、まだまだ通過点。もっともっと良くなると思います」。5回1死二塁のピンチではギアを上げて村林、小郷を連続空振り三振。最速158キロの直球とカーブ、フォークのコンビネーションで11奪三振と圧倒し、2点リードを守り抜いた。
成長過程による腰のコンディション不良を乗り越えて7日の日本ハム戦(京セラD)で復帰し、3試合19回2/3で3失点。「腰に(負担が)来ないように、体を整えてから動き出す」と変化を加えたのは、登板前のエクササイズだ。体全体をほぐしていた方法を見直し、肩周りや胸郭、胸椎に骨盤と部位ごとに可動域を広げるメニューを導入。「(種類は)そんなにない…、と言っても30以上はあるかな…」。
登板後のメンテナンスも欠かさない。最近は、スタンフォード大学式の疲労回復法が紹介された書物を読破。「表があっての説明が多いので…」と丁寧に読み返し、理解に努めてきた。あまり経験のなかった電気治療も取り入れ、就寝前には1時間半ほどのリカバリーメニューを消化。「抜こうと思えばいくらでも抜ける。でも、継続することが大事」。野球以外は二の次とする姿勢が、鮮やかな復活劇を呼び込んだ。
チームは今季15度目の完封勝ちで、3位での2年ぶりCS進出と、シーズン勝率5割以上を同時に確定。下克上への挑戦権をたぐり寄せた山下は「日本一を目指すべき。そこしか狙うところがない」と真っすぐに前を向いた。「チームが勝つためにはどんな手でも使っていきたい」。