【米ニューヨーク27日(日本時間28日)=田中哲】巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(51=ヤンキースGM付特別アドバイザー)がニューヨーク市内で野球教室を開催。リーグ連覇を逃すもAクラス入りしてCS進出を決めた阿部巨人の下克上を期待した。

 「まだこれからチャンスがある。ジャイアンツほど下克上を食らったチームはないんじゃない? 去年もそう。たまには逆を見てみたいですよね」

 巨人はリーグVを果たした07年や14年、昨年と3度も下克上を許したが、逆にリーグ優勝以外でCSを勝ち抜いて日本シリーズに進んだ過去はない。だからこそ今季は、はい上がる姿を期待する。自身はヤ軍時代の09年に日本人選手初となるワールドシリーズMVPに輝くなど短期決戦でも存在感を示しており、その経験も踏まえてエールを送った。キーワードは自身の座右の銘でもある「不動心」に通ずる考えだ。

 「今さら何か変えることはできないでしょ。(現役時代の)自分も何もしてない。だから、万全の準備をして戦うしかないんじゃないですかね」

 今季の巨人は岡本の約3か月の故障離脱や戸郷の不調もあった。一方でプロ2年目の泉口の台頭など、収穫もあった。「いる戦力で精いっぱい頑張った結果。いろんな要素があるでしょうけど、阪神が強かったんじゃないですかね。

それに尽きる」と分析した。

 ヤ軍、巨人と松井氏と同じユニホームに袖を通す田中将は日米通算200勝まであと1勝。「もし彼がそこに強いこだわりを持っているのであれば、それはもちろん応援しますよ」。古巣のチーム、個人への愛着をのぞかせるひとときだった。

 〇…松井氏がポストシーズンに進出する日本人選手へエールを送った。ドジャース・大谷ら複数選手の出場が決まっており「一ファンとして見ている。日本のトップレベルの選手はメジャーで十分プレーできることを歴史が証明してくれている」。また、来季メジャー移籍が確実視されるヤクルト・村上へ「彼にとって一番いいチームにいってほしい。それがヤンキースだったら、もちろんそれは素晴らしいことなんですけど。彼にとって一番フィットするチームにいければいい」と語った。

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