◆米大リーグ マリナーズドジャース(28日、米ワシントン州シアトル=Tモバイルパーク)

 ドジャースのC・カーショー投手(37)が28日(日本時間29日)、レギュラーシーズン最終戦となる敵地・マリナーズ戦に先発し、5回1/3を4安打無失点7Kで降板した。球数94球。

最速90・6マイル(約145・8キロ)ながら、スライダー中心の配球で組み立て、ア・リーグ西地区を24年ぶりに制覇したマリナーズ打線を翻弄(ほんろう)した。今季11勝目、通算223勝目の権利を持って救援陣にバトンを託した。

 初回。今季メジャー最多の60発を放っているローリーを一飛に仕留めるなど3者凡退。2点の援護をもらった直後の2回は4番ガーバー、5番レイリーを連続三振に斬ると、2死からクロフォードに初安打を浴びたが、後続を断った。4点リードの3回。2死三塁で迎えたローリーとの2度目の対戦では四球。それでも、続くスアレスをスライダーで空振り三振と落ち着いていた。

 4回、5回はともに先頭打者にヒットを許したが、ホームにはかえさず。5回1死二塁からは1番アロザレーナ、2番ローリーを2者連続K。ローリーに対しては伝家の宝刀カーブで空振り三振を奪った。6回も続投。

先頭のスアレスをスライダーで空振り三振に仕留めたところでベンチからロバーツ監督ではなく、盟友フリーマンがマウンドへ。内野の選手たちとそれぞれハグを交わした。ベンチ前では指揮官とも抱擁。球場全体は大きな拍手で包まれた。

 今月18日(同19日)に今季限りでの現役引退を発表したカーショーは19日(同20日)のジャイアンツ戦でレギュラーシーズンでは本拠地ラスト登板に臨み、5回途中4安打2失点。その後、登板間隔が空くことや救援陣の不振で苦しんでいたチーム事情もあり、24日(同25日)の敵地・Dバックス戦では自ら志願して6年ぶりのリリーフ登板を果たした。

 この日の試合前、ロバーツ監督は30日(同10月1日)に開幕するワイルドカードシリーズ(WCS)では「彼(カーショー)は出られない。地区シリーズには出場可能だろう」と明言。勝ち進んだ場合は当然メンバー入りの可能性はあるが、敗退した場合はこの日が現役最終登板となる。敵地ではあるが、スタンドではエレン夫人らが背番号22の雄姿を見届けた。

 カーショーは2006年のドラフト1巡目(全体7位)でドジャース入団。08年から先発ローテに定着した。

10年に初の2ケタ勝利となる13勝を挙げ、11年には21勝、防御率2・29、248奪三振の投手3冠でサイ・ヤング賞を受賞した。11~14年は4年連続で最優秀防御率に輝くと、14年には2度目の20勝以上となる21勝をマーク。15年には自己最多の301奪三振と黄金期を迎えた。13~14年は2年連続サイ・ヤング賞。21勝3敗、防御率1・77の14年にはMVPにも選出された。二刀流の大谷を除くと、2012年以降では唯一投手でMVPとなった。

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