◆秋季高校野球静岡県大会▽準決勝 常葉大菊川1―4聖隷クリストファー(28日・草薙球場)

 準決勝が行われ、今夏甲子園出場の聖隷クリストファーが、2年連続で秋の東海大会(10月18日開幕・愛知)出場を決めた。センバツ出場の常葉大菊川に4―1で完勝。

エース高部陸(2年)が1失点、10奪三振の力投で4試合連続完投勝利を挙げ、3季連続県大会制覇に王手をかけた。3枠目の東海大会出場権を懸けた3位決定戦と、聖隷ー掛川西の決勝は10月4日に草薙球場で行われる。

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 高部の投球が原動力となり、聖隷が注目された春夏甲子園出場校対決を制した。エースは4―1の9回2死、最終打者を空振り三振で仕留めると、風格を漂わせながら整列に加わった。

 117球で完封した前日(27日)の磐田東戦から連投。「きょう(準決勝)は気持ちで投げるしかないと思っていました」。疲れが影響し、序盤は球が浮いたが、投球時に足を高く上げ、グラブ位置を耳元まで持ってくるなど体を大きく使うことで修正。5回からは調子が戻った。

 県予選から4試合連続コールドで勝ち上がってきた菊川打線に9安打を浴びながらも、121球で1失点完投。2ケタ10三振を奪う異次元の投球だ。「(三振を)狙ってはいなかったですが、自分の球が通用すると分かったので、自信を持っていきたい」とうなずいた。

 気合が入ったのは、相手エースで打撃センスもある佐藤大介(2年)との対戦。

初回に失点につながる中越え二塁打、2、3打席目も安打を許した。しかし、8回の2死二塁では外角直球で意地の見逃し三振を奪った。

 東海切符をつかみ、いよいよ次は春、夏に続く3季連続県制覇を懸けた決勝戦。相手は、高部が“連敗”を喫している掛川西だ。1年生だった昨夏は救援登板した決勝で敗れ、続く秋は県準決勝で完投するも2―4で敗戦。高部は「負けてから1年間、チームがやってきたことを掛川西相手にできる。積み重ねてきたものを出して、抑えたい」とリベンジを果たし、来春のセンバツにつながる東海大会への勢いを付ける。

(伊藤 明日香)

 〇…常葉大菊川の自慢の強力打線は聖隷エース・高部から9安打。なかでも佐藤投手が3安打と気を吐いた。「甘く来た変化球をさからわずに打てた。『勝負!』という気持ちだった。楽しかった」。

だが要所を締められ、佐藤も8回2死二塁で無念の見逃し三振に倒れた。それでも「東海大会でやり返す!」と全員が即座に気持ちを切り替え。石岡諒哉監督(36)も「3位決定戦は絶対に勝つ」と気を引き締め直していた。

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