今年1月の第102回箱根駅伝でオープン参加の関東学生連合の一員として4区を走った東大大学院の本多健亮(けんすけ、博士1年)が26日、横浜市の日体大横浜健志台キャンパス陸上競技場で行われた日体大長距離競技会の男子5000メートルで13分59秒38の自己ベスト記録をマークした。東京の進学校、麻布高時代の5000メートル自己ベスト記録は15分53秒だった本多は、努力に努力を重ね、約7年で2分も短縮。

14分3秒56の自己ベスト記録を4秒18更新し、自身初の13分台をマークした。「キター!という感じです。13分台は、やはり感慨深いです」と充実した表情で話した。

 本多は、麻布高から東大に現役合格。現在、東大大学院博士課程1年に在籍。文武両道ランナーは、奇跡の成長を続けている。

 大学2年時に1万メートルの自己ベスト記録が33分48秒84だった本多は、大学院修士2年だった昨季、29分18秒13をマーク。約4年で4分30秒以上も縮めた。昨年10月の箱根駅伝予選会のハーフマラソンでは個人111位と健闘し、個人枠で連合登録メンバーに入り。当初、出走メンバーの10人から外れていたが、準エース区間の4区の予定だった選手が直前で故障したため、急きょ、出番が回ってきて、新春の箱根路を駆け抜けた。

 終盤にダラダラと上り坂が続く難コースの4区(20・9キロ)を1時間3分25秒と力走した(1キロ平均約3分2秒)。「自分の力を出し切れました。

タスキをつないだ直後は『区間15位相当では走れたかな』と思っていましたが、区間20位相当でした。さすが、箱根駅伝。しかも、往路。甘くはなかったですね」と爽やかに夢舞台を振り返る。

 大学2年時に1万メートルの自己ベスト記録が33分後半だった選手が箱根駅伝を駆けることは奇跡に近い。それを実現させた本多は、さらなる成長を期す。

 「目標だった箱根駅伝を走ることができたので、今季は、上の目標を持っています」と話す。前回大会から関東学生連合の編成方法が変更され、出場回数の上限が1回から2回になったため、今季も箱根駅伝出場のチャンスがある。「次は区間上位相当で走りたいですね」と意欲を見せる。

 箱根駅伝だけではなく、マラソンにも果敢にチャレンジする。「もっと高い目標として、MGC(28年ロス五輪マラソン日本代表選考会、27年10月3日、名古屋)出場を目指しています。そのために8月の北海道マラソンに初挑戦します」と壮大なプランを明かした。

 夏マラソンの北海道では、2時間12分0秒以内で日本人3位以内となれば、MGCの出場権が獲得できる。決して簡単ではないが、驚異的な成長を続ける本多であれば、決して不可能でもない。

 字は異なるが、読みはサッカー元日本代表の本田圭佑(39)と1字違い。「よく言われます」と笑う。本多には本田圭佑の決まり文句の「伸びしろ」が、まだまだ残っているのだろう。最高レベルの文武両道ランナーの奇跡の挑戦は、続く。(竹内 達朗)

 ◆本多 健亮(ほんだ・けんすけ)2001年5月19日、東京・杉並区生まれ。24歳。20年、麻布高から東大理科一類に現役合格。24年に東大工学部物理工学科を卒業し、東大大学院工学系研究科物理工学専攻に進学。今年4月に博士課程に進んだ。大学院のホームページでは「超高速光科学を通じて知見を広げていきたいです」とコメントしている。

将来については「企業に就職するか研究者になるか、考えています」。167センチ、53キロ。

編集部おすすめ