プロボクシング世界スーパーバンタム4団体統一王者の井上尚弥(33)=大橋=と、無敗の3階級制覇王者・中谷潤人(28)=M・T=が激突するスーパーファイトは2日、東京ドームでゴングを迎える。32戦無敗の両選手の試合の行方は? 本紙評論家で元WBC世界バンタム級王者の山中慎介氏(43)が、展開予想、そして勝敗の行方を占った。

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 いよいよスーパーファイトがゴングを迎える。尚弥の防衛なのか、中谷の王座奪取か。勝敗を左右するポイントは戦う距離だ。サイズに勝る中谷は、まず遠い距離でスタートするだろう。尚弥がその距離をどう縮めてパンチを打ち込むのか。中谷は西田戦で奇襲を仕掛けたが、尚弥相手にはやらないと思う。試合の流れを決めると言う意味では序盤が一番大切になる。お互い相手を見ながら、落ち着いた入りになるはずだ。

 尚弥の出入りのスピードは本当に速い。昨年9月のムロジョン・アフダマリエフ(ウズベキスタン)戦でみせた動きは圧巻のひと言だが、中谷相手にあの動きができるかといえば、できないだろう。そして、特質すべきは中谷のパンチの軌道とタイミングだ。常識では考えられない角度、タイミングでパンチが出てくる。

多くのボクサーが防ぎようのないパンチで倒されいる。

 ただ、ここ2試合の尚弥の戦い方に注目してほしい。かつてのように「絶対に倒しきる」というスタイルから、ディフェンスを意識した勝ちに徹するボクシングをしている。相手にとってはまさに難攻不落で、中谷といえども簡単にパンチを当てることは難しい。

 ともに32戦無敗という素晴らしいレコードを積み上げている。お互い32人のボクサーに勝ち、数字的には同じでも、中身の濃さにはやや差がある。対戦相手の実力などを考慮すれば、やはり尚弥の方がタフな試合を多く経験している。ビッグファイトになればなるほど、修羅場をくぐり抜けてきた経験の数がものをいうのだ。

 実績から見ても、尚弥の有利は変わらない。中谷は前戦のセバスチャン・エルナンデス(メキシコ)戦(昨年12月、判定勝ち)での苦戦が良薬になり、万全の状態で試合に臨むはずだ。その中谷を相手に、中盤以降に距離を詰めボディーブローがヒットし始めると主導権は尚弥が握ることになる。このボディーブローも試合の流れを左右するカギとなるパンチだ。

最後は判定で尚弥の手が上がるような気がする。(元WBC世界バンタム級王者)

 ◆井上 尚弥(いのうえ・なおや)1993年4月10日生まれ、神奈川・座間市出身。33歳。愛称「モンスター」。アマ戦績75勝(48KO/RSC)6敗。12年10月、プロデビュー。プロ戦績32勝全勝(27KO)=KO率84・3%、世界戦戦績27勝(23KO)=4階級制覇。右ボクサーファイター。身長165センチ(リーチ171センチ)。

 ◆中谷 潤人(なかたに・潤人)1998年1月2日生まれ、三重・東員町出身。愛称「ビッグバン」。アマ戦績14勝2敗。

2015年4月、プロデビュー。プロ戦績32戦全勝(24KO)=KO率75%。世界戦戦績10勝(9KO)=3階級制覇。左ボクサーファイター。身長173センチ(リーチ174センチ)。

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