昨年12月にデビュー5周年を迎えた9人組ガールズグループ「NiziU」の進化が止まらない。昨年に全メンバーが20代となり、パフォーマンス力も向上中。

6月には自身2度目のドーム公演を東京と大阪で開催する。葛藤もあったというコロナ禍のデビューからさまざまな経験を積んで成長を遂げた9人が、これまでの活動を振り返りながら今後目指す場所などについて語った。(松下 大樹)

 多くの人の記憶に刻まれる「縄跳びダンス」から、4度にわたるNHK紅白歌合戦出場、メジャーデビューから1年11か月で実現させたドーム公演。新作を出す度に各音楽チャートで首位を獲得するなど、NiziUは現代のガールズグループの先駆けとして「大活躍」という言葉が当てはまる軌跡を描いてきた。

 破竹の勢いで突き進んだこれまでの歩みについてMAYA(24)は「日々勉強、日々成長という感じで、気づいたら5年たっていた」と振り返る。「メンバーと切磋琢磨(せっさたくま)してきた記憶が濃くて、一人ひとりに対する愛とか感謝の気持ちがどんどん連なった5年間だったと思います」とかみ締めた。

 グループの一番の強みを「仲の良さ」と全員が口をそろえる。結成時から共同生活を続け、リーダーのMAKO(25)は「言葉じゃなくても通じる配慮だったり、メンバーへの思いも年々高まってきている」とうなずく。RIKU(23)も「同じ経験をしてきた仲間がいるのは心強い。ずっと一緒に思い出を作ってこられたことが幸せだなと思います」と笑みを浮かべた。

 そんな9人は、コロナ禍まっただ中でスタートを切った。オーディション番組「NiziProject」の放送から、縄跳びダンスで話題となったプレデビュー曲「Makeyouhappy」のヒットなど、メジャーデビュー前に大きな脚光を浴びた2020年。

未知のウイルスによる未曽有の危機に世界中がさらされる中、NiziUの明るい曲と笑顔は多くの人に元気を与えた。

 一方、自分たちの中ではもどかしい思いもあったという。人が集まることが制限され、ファンの熱に直接触れられる機会はごくわずか。MAKOは「ファンがいるという実感がない状態がしばらく続いた。体験できないこともいろいろあって、コロナ禍に対してマイナスなイメージを持っていました」と打ち明ける。

 だからこそ、制限なく活動できる状況に感謝の気持ちは大きい。「コロナの時期を経てライブで声が聞けるありがたみを感じることができた。『NiziProject』を知っていただけたのもコロナ禍のおかげだったのもありますし、今となっては経験としてありがたかったなと思います」。当時抱えていた葛藤は、前向きな思い出として捉えている。

 そんな異例とも言える時期のデビューからずっと多忙な日が続くが、最近は少しずつ余裕も生まれてきたという。AYAKA(22)は「デビュー当時は右も左も分からない状態でただ毎日をこなしていくという感覚だったけど、月日がたつにつれて『もっと○○したい』という“欲”が増えました」と充実感を吐露。MAYUKA(22)も「最近は自分たちの意見が言えるようになった。

もっと自分たちでNiziUを作っていかないといけない時期になったのかなと感じています」と続けた。

 年齢も昨年に全メンバーが20代に突入し、一気に大人っぽさが増す。最近のステージでは、かわいいだけでなくキリッとした表情も見せるなどクールな姿も一つの武器になっている。幅のあるパフォーマンス力はレッスンで鍛えた証しでもあり、NINA(21)は「前からいろんな可能性があるグループであることを見せたいと思っていた。表情とか雰囲気を勉強したり声もエッジボイスを使ってみたり、スキル面でも頑張って準備していました」と明かした。

 その進化を求め続ける姿勢は昨年のツアー規模でも示されていた。ドームなど数万人規模の大きい会場を埋める力があるにもかかわらず、あえて一回り小さい会場を巡るホールツアーを選択。これまで行けなかった地域に足を運ぶ目的があったと同時に、RIO(24)が「メンタルが鍛えられました」と漏らすほど新たな挑戦になった。

 「ホール規模になると、お客さんとの距離が近い分、一つひとつの歌声だったり、ダンスの細かい部分だったり、ちょっとした表情だったり全部が見られている感じがした。メンタルが崩れそうになるくらい緊張とプレッシャーがありました」

 広いステージだと派手な照明や効果音で雰囲気を作り出すことはできるが、目と鼻の先にファンがいるとごまかしは一切利かない。もちろん、どのステージでも全力を注いできたが、より細部にまで神経を研ぎ澄ました質の高いパフォーマンスを作り上げる良い機会となった。

 磨きがかかった9人は、今年6月に東京、大阪の2都市で22年以来2度目のドーム公演を行う。

前回は声出し制限があったため、完全体での開催は初。期待が膨らんでおり、MIIHI(21)は「約5万人が入る会場で一斉に声を浴びたことがない。前回、ペンライトを見て『こんなにもたくさんの方が応援してくださってるんだ』と実感できた記憶があるので、そこにプラス声援があると思うとワクワクします」と目を輝かせる。

 RIMA(22)は「私たちのことが『縄跳びダンス』の印象で止まっている方もいらっしゃると思うので、進化した今のNiziUを見てほしい。私たちの今をあまり知らない方も魅了できたら良いなと思います」と決意。「前回のドーム公演以降で学んだことをパフォーマンスで届けられたらと思います」と背筋を伸ばした。

 その先に見据えるのは、デビュー時から掲げる世界規模での活躍。4月1日にリリースした新曲「Too Bad」は、海外からの反響がこれまで以上に寄せられ、着実に機運は高まっている。MAKOは「NiziUの強みは韓国語もみんなしゃべれるし、英語がしゃべれるメンバーもいる。この強みをもっと生かして、世界のステージで輝けたらなと思います」と表情を引き締めた。NiziUはまだまだここからステップアップを重ねていく。

 ◆NiziU(ニジュー)2020年6月、音楽プロデューサー・J.Y.Park氏によるオーディションプロジェクト「Nizi Project」に合格した9人によって結成し、「Make you happy」でプレデビュー。

同12月、「Step and a step」でメジャーデビューし、NHK紅白歌合戦に初出場。以降、4年連続で出場。23年10月、韓国デビュー。

編集部おすすめ